思わず ページ22
思わず、振り返ってしまった。
思わず、心が高鳴った。
思わず、走っていきそうになった。
嵐ちゃんと繋いだ手をきゅっ、と締めると嵐ちゃんは無慈悲にも手を離した。
「え、嵐ちゃっ」
「あたしが、誤魔化してあげるわよ。」
「…何をだよ」
「ちゃんとAちゃんと話なさい?真緒ちゃんだってもうわかってんでしょ。」
「嵐ちゃん、私何も言ってないよ。話したいなんて、一言も」
「そうだぞ、鳴上。しかも、授業始まるから」
あんずちゃんが、真緒にはいるんだから
私はもう話すことなんてない。
そう、伝えたいのに、嵐ちゃんは聞く耳を持たない
「真緒くん、」
「…っ、あんず……」
「アラ、あんずちゃんじゃない。授業始まるわよ?」
「それはお互い様だと思うな。ごめんね。ちょっとAちゃんと話したいことあるんだ。」
不意打ちに現れたあんずちゃんに思考停止していると、突然名前を呼ばれ息が詰まる。
なにを、言われるの
前を向けない私に嵐ちゃんがため息をつく。
思わず肩を震わせると、あんずちゃんが笑った。
「なんか、勘違いしてるよ。Aちゃん」
「かん……?」
「そう、それを解こうよ。元はと言えば、私が悪いもん。私は、私の想いのせいで誰かを傷つけたいわけじゃないんだよ」
あんずちゃんがその言葉を言った途端、始業のチャイムが鳴った。
「あ、」
「うそ、時間忘れてたわッ!真緒ちゃん、行くわよ!」
「おう!」
「Aちゃんはあたしから伝えとくわ!じゃ!!」
「ちょ、鳴上!はや、お前陸上部か!!!」
走っていった真緒達の足音が消えて、静寂が場を包んだ。
嫌でも考えさせられる。
あんずちゃんの言葉の意味を。
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魔王の使い魔(プロフ) - あ る ひ *さん» ありがとうございます。返信が遅れて申し訳ないです(汗)ちゃんと更新していきます! (2018年10月26日 1時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
あ る ひ *(プロフ) - ああああ夢主ちゃん頑張れ。めっちゃ面白いです。更新頑張ってください!! (2018年9月4日 23時) (レス) id: 57d476482b (このIDを非表示/違反報告)
魔王の使い魔(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» まさか応援されるとは思いませんでした笑夢主頑張らせます☆ (2018年8月24日 9時) (レス) id: 9a6f3d90f9 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 夢主頑張れ (2018年8月24日 3時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔王の使い魔 x他2人 | 作成日時:2018年8月21日 15時