…また、短編集出したんっすか…？【d!】 (ページ39)

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●大切だから　kn　(アンケート) ページ39

A目線

A『やだっ！やだやだ！』
kn｢それとも、今日｢も｣俺からつけたるか？｣
A『しっ、ま、いやだ。』

私の震える手で持っているのはカッター。
私の最愛の彼は少しおかしい。

A『なんでっ…傷つけたくないよ…』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
kn｢じゃあ俺にそれ、貸してみ。｣ﾊﾟｼｯ

貸すというより、無理矢理奪われた。
それと同時に腕に鋭い痛みが走る。

A『いたっ…』

自分の切り傷だらけの腕にまた１つ新しい切り傷が増える。

kn｢なんで！なんで、Aは俺のこと、愛してくれへんの…？｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
A『私の愛し方は傷つけることじゃない。』

しっまは虐待をされていた。
だから、暴力、暴言等を｢愛｣だと思っているのだ。
否、思い込むことで、少しでも平然を装っているのだ。

しっまは時々私の前では酷く弱々しくなる。
私が本当の愛を教えなくちゃ。

A『しっま』ｷﾞｭｯ
kn｢え？A？｣

A『つらかったんだよね。でも、あんなの、愛じゃない。』
kn｢う、嘘や！あれが愛じゃなかったら、俺…｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

きっと心の底では分かっているのだろう。
でも、認めたくないのも分かる。

A『しっま。大丈夫。これからは私と本当の愛を探していこ？ほら、私達2人なら何でもできるよ！』

kn｢おん！｣

しっまの目元は少し赤く腫れていた。
しっまの腕は傷など１つもなく綺麗だ。
しっまに傷をつけなかった昔の自分をとても誉めてあげたい。

kn｢ぁ……でも、俺、Aのこと、きずつけて…もう…た。｣ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

また力なく涙を流してしまうしっま。
でも、昔のしっまはこの行動(傷をつける行為)を愛だと思っているんだったら、私はこんなに愛されていることになる。

A『しっま。大丈夫！私、頑丈だし、その、しっまの愛なら、嬉しいから…えへへ///』

kn｢っっ！！俺、これからはちゃんとした愛をお前に伝えるから！覚悟しとけ？｣

カッコいい言葉をいっているしっまは涙で顔がぐしゃぐしゃになっていた。

お世辞でも、カッコいいとは言えないが、これからカッコいいことをしてくれると私は胸に淡い期待を抱いた。

大切だから傷つけていた。でしょ？しっま。