7つ目 sideなし ページ9
Aの体の痣が薄くなって頬も少しふっくらとしてきた頃、6人は少し遠出をしようという話になった。
夜がもうすぐ明けようとしている空の元オビと白雪を除く他4人が2人を待っていた。
「それにしても遅いな」
「普通はこんな時間はまだ寝てるだろうからね」
実はこの遠出、白雪には知らされておらずオビが今白雪を起こしに行っている最中だった。
「ゼンさんが起こしにいかなくてもよかったのですか?」
「ゼンが行くとな…それはそれで長くなりそうだからオビに行かせたんだ」
「おい、ミツヒデ。聞こえてるぞ」
ゼンが未だ眠たげな声でミツヒデに向かってそう言う。
「き、聞こえてたのか…!」
ぐっと声を詰まらせて体を固めるミツヒデ。
「そりゃそんな大きい声出してたら聞こえるわ」
そう言って窘めるゼンだったが、やはりまだ眠いらしくそこから先は特にお咎めはなしだった。
しばらく4人で話しているとオビが白雪を連れてやってきた。
「お、揃ったな」
ゼンは浅く腰をかけていた所から立ち上がる。
「よう、白雪!」
「ゼン!ーえ?あれ?どういう?」
ゼンを見つけ目を煌めかせる白雪だったがどうもその反応がおかしい。
「?なんだ、その反応」
「や、オビが突然迎えに来たから何も聞いてなくて」
外に出かけるとしか…とごにょごにょ言う白雪の話を聞いてゼンはオビを怒る
「おまえ!ちゃんと話しておくよう言っ…ー…迎えにって…どこに来た?」
「…寝てたら窓に」
その言葉を聞いてゼンはより一層オビを責め立てた。
「オビィィィ」
「いだだだだだだ」
「おまえ非常識だぞ」
オビを呆れたような目で見ながらミツヒデもそう言った。
「今日さ、みんな身が空くって事でどこか行くかって話になったんだよ」
「! そうでしたか!」
「平気?」
「あ、はい!」
「まぁ、そういう事だ」
ゼンがオビを叱り終えたのか白雪に向かってそう言うと白雪は嬉しそうに笑った。
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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時