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13個目 sideなし ページ15

「あっれー、なんだ見てたんですか。優勝してきましたよ!ほら賞金!」


オビと合流すると開口一番そんな事を言った。ゼンも少し怒っているようで


「おまえな!!」


眉を顰めながらオビに言うゼンだったが、オビにはその言葉は届いていないらしい。


「それとお嬢さん!」


「ん?」


オビは白雪のフードを降ろすと髪飾りをつけた。


「こいつはあんたに。賞品、異国の髪飾りだって」


そして、再度白雪にフードを被せた。


「街出たらでいいから主に見せてやってよ。物欲しそうにしてたからさ」


「誰がだ」


「あでっ」


ゼンの手刀がオビの頭に綺麗に入った。


「大体おまえ何だナナキって」


「ああいう時は偽の名前のがかっこいいでしょ」


「かっこいいかはともかくオビの身軽さはどうやって身につけたか気になるよなあ」


ゼンとオビの言い合いに感心したような声でミツヒデでも加わる。

「ミツヒデさん、今度勝負しましょうか」

「お、乗った!」

「んじゃ賞金で飲みましょうよ」

「馬どうするわけ、帰り」

「つないでもらって馬車の上で寝ます」

「危ないですよそれ」

「そうだぞ、落ちるぞ」

「まぁまぁ。あ、そうだこれA嬢に」

「私にですか?」

「うん。お嬢さんが髪を隠してるって聞いた時、Aもあった方がいいかなって思って」

そう言うとどこから取り出したのはふわりとフード付きのケープを取り出しAに被せた。

「うん、似合う似合う」

「ほんとだ。すごく似合ってるぞA」

「本当ですか?」

オビが選んだそのケープは黒を基調としAの二の腕ぐらいの長さで落ち着いた雰囲気がAによく合っていた。


「よかったね、A」

「はい。あの、オビさん」

Aはすでにお店を探しながら周りを見ているオビを呼び止める。


「ん?A、どうしたの?」

「ケープ、ありがとうございます。あと、先ほどの試合とてもかっこよかったです。最後に使った蹴り、今度私にも教えてください」

ふわりと笑いながらそう言うA。Aが笑うなんて初めての事でオビはその表情を見て少しだけ胸を高鳴らせた。

「どういたしまして。あと、ありがとね。蹴りはAの体がもうちょいしっかりしたら教えるよ」

オビはAの頭に手を置きそう言った。その瞬間、Aの胸がドキリと鳴り出す。
何が起こったのか分からずAは胸に手を当てる。

(風邪でも引いたのかな…)

Aがこの感情を知るのはもう少し先のようだ。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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