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9つ目 sideなし ページ11

「ユリカナかー賑やかなとこですよね。この街も」


オビがそう言う様に街はワイワイとした活気に溢れていた。


「舞台やら闘技やらが好きらしいからな」


そう説明しているゼンの隣で白雪はフードを被り出す。


「あっれ、何お嬢さん。外だとそんなんかぶってるのかい?」


「うん、場所にもよるけどこの方が歩きやすいからね、人が多いところは」


「へー、そういや目立つんだっけね、お嬢さんの髪」

まっもう1人目立つ子はいるけどと呟くオビの隣で珍しいそうにキョロキョロと周りを見渡しているA。確かに通り過ぎる人がチラチラとこちらを見ていた。

「おっ?向こう側なんか始まるみたいだぞ。白雪、木々、A」


向こうで聞こえた鈴の音をミツヒデが聞き、3人に伝える。


「なんでしょうね」


「行ってみましょうか」


「劇団かなぁ。木々ちゃんとついて来いよ」


んーと木々も先に行った3人を追いかけるように歩いていった。


「…お嬢さん。前に外で危ない目にでもあったんですか?」


4人が消えて二人きりになったオビとゼン。オビがゼンにそう聞くと、ゼンはオビの顔をじっと見る。それでオビも分かったようで言葉を続けた。


「はーん、それじゃ隠しててもなにも言えないですね」

「まったくな、阿呆がいて困る。綺麗なのにな」


真っ直ぐな目で白雪を見つめるゼンに習うようにオビも白雪を見る。


「俺にそんな口説き文句言ってないで、デート気分でも味わったらどうですか、主」


「で!?」


「そうだなーお嬢さんの欲しいものを買ってあげるとか?」

驚いて声を大きくさせたゼンを無視し話を続けるオビ。

「…なんだ欲しいものって?」

先ほどの驚きがまだ尾を引いてるのかゼンはオビにそんなことを聞いた。

「知りませんよ、そんなの」

オビもそんなこと知るはずもなくそのまま2人は言い合いになってしまう。

「白雪」

少し離れたところにいた4人。ミツヒデが白雪に話しかけた。


「はい」


「ゼンに聞いたよ。ゼンはこの先も君と共にいられる道を行くって」


「白雪も望んでるんだよね?」


「望んでいます」


白雪は木々の問いかけに力いっぱいそう答えた。ミツヒデが嬉しそうに笑い白雪の頭を撫でる。

「うん。頑張ろうな!俺達もいるからさ」

ミツヒデが頭を撫でながらそんな事を言い白雪は少しびっくりしていたが嬉しそうに

「はい!」

と答えた。

3人の近くにいたAは、その様子を嬉しそうに、でも少しだけ寂しそうに見ていた。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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