MISSING TWINs Ⅲ (ページ36)

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『だ、大丈夫？』

『うぅぅうー！』

『ま、いご…なの？』

『うぇっ、ふぐっ、うあぁぁーん！』

『ちょっ、泣かないで』

そう言って涙で滲んだ視界の中で、影だけの少年が私の頭を恐る恐る撫でた。

『ほら、いっしょにさがしてあげるから、泣かないで？おれ、大我。京本大我っていうの。きみは？』

『うっ、えぐっ、芹ー』

『芹ちゃんだね。だいじょうぶだから、ね？』

そう言って手を握ってくれた男の子と

『迷子？』

『えぐっ、うぇっ、うぅーっ』

『泣いてもしょうがないだろうが…』

『うわぁぁぁぁん！』

『あぁ…ほら、泣くのやめないとお父さんもお母さんも見つからないぞ』

『うっ、ふっ、…ずびっ』

『えらいえらい。名前いえるか？』

『芹゛っ』

『芹な。おれは…、よし、いくぞ！』

偉いと言いながら袖口で涙を拭ってくれた男の子。
その２つを思い出して、膝から崩れ落ちたい気分になった。

「………思い出しました。その節はありがとうございました…」

「思い出せたんだ…嬉しい」

照れくさそうにはにかんだその笑顔に、また激痛と戦う事になりました。とだけ追記しておきます。