MISSING TWINs Ⅲ (ページ35)

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「で、正解は？」

「俺が５歳で芹が４歳の時。親の間歩いてたんだけど、泣き声聞こえた気がしてそっちに向かったら、構内の隅っこで蹲ってる芹を見つけた。俺、昔から人見知りだからどうしようかと思って振り返ったら親居なくて、自分も迷子になってた」

「大我くんも大概ボケ属性ですね」

「おい、誰のせいだと思ってんだよ」

ちょっとした悪態をついても許容の範囲内らしく、笑っている。
嬉しそうに。
楽しそうに。

「で、どうしたんですか？」

「途方にくれました」

「迷子になっただけ」

「親を探しに行こうにもどこ行ったらいいか分からないし、芹を置いては行けないし、覚悟を決めて声かけたよ。大丈夫？どうしたの？って」

４歳の時の東京駅。
その頃はまだ地方に住んでいて、叔父さんの所に遊びに行くくらいしか東京駅を利用する理由はない。
と、言うことは、覚えているかはとても微妙である。
大抵の場合大人の人に助けてもらっているんだから、子供に声をかけられた事…と考えてやっと２つの遠い記憶を掘り返した。
片方は声を覚えていて、片方は顔を覚えている。
正確には、片方は少し人混みから遠い所での出来事で、もう片方はざわめきの中で涙を拭ってくれたから、という理由。

「あれ？ちょっと待って…」

必死に掘り返した記憶をリピートするが、要所が霞んでいるように感じた。
ハッキリと会話が思い出せない。
幾度か違うと首を振ろうとして玉砕するのを繰り返して、やっとの思いである意味完璧に思い出せた。