MISSING TWINs Ⅲ (ページ12)

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理由はすぐに知れた。

ーどうかしました？ー

ー芹さん、あのね…ー

どうやらあの看護師さんは相当な男好きらしく、男性と見ればすぐにちょっかいを出すらしい。
最低だよね！なんて、皆眉を怒らせた上に肩まで怒らせている。

ー大我くんにまでちょっかい出されるのはイヤだなぁ…ー

例え私の世界の大我くんじゃないとしても、気分が悪い。
誰でも良いくせに近寄って来ないで！などと思ってしまう独占欲は、きっとここの私も思うところだろう。

ーなに…今の…ー

ー全員の安否確認！急いで！ー

２０代女性のリーダー的存在の水戸部さんが、ピリリと空気を引き締めて指示を出す。
訳の分からない私はおろおろと、先程感じた背筋が粟立ち、金縛りのように体の自由のきかなくなるその気配を思い出しては、また固まっていた。

ーみーさん！あの女が倒れてる！ー

安否確認に散った内の１人が、そう叫んで戻って来た。
あの女。
駆けつけた私達が目にしたのは、首に絞め痕をつけて気を失っているさっきの看護師さんだった。

ーえ？え？なんで！？ー

助け起こそうにも触れられない。
呼吸はあるが、首に絞め痕なんてただ事ではない。

ーど、どうしたらいい！？ー

ー芹さん落ち着いて。奥のナースコール鳴らすのは出来る？ー

ーや、やってみます！ー

人に触れる事は出来なくとも、物であれば気合いを入れれば一瞬くらいなら触れられる。
奥の病室へと急ぎ、ナースコールを鳴らした。
勤務中の他の看護師さんが駆けつけて、女性の看護師さんの処置を行っているのを眺めていて思ってしまう。

ーまさか…大我くんが…？ー

血の気が引くような思いで行く末を見ている私の肩を、水戸部さんが軽く叩いて意識をそちらに向けた。
ちょうど目覚めた看護師さんが半狂乱で叫ぶのと、水戸部さんが私に向けて口を開くのは同時だった。

ーあれは生霊の気配だったよー
「突然３０３号室の武藤さんに首を絞められたの！！」

ー私…？ー