MISSING TWINs (ページ8)

今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:39,351 hit

Ⅶ ページ8

「そんじゃ、俺ら行ってくるわ」

「はい！頑張ってください！」

「芹も頑張れよ」

最後尾で振り返りながら手を振った赤西くん。
弾かれたようにその腕に飛びついた。

「ん？どした？」

驚いた顔を柔和に変えて微笑んだ赤西くんに、私は何と言おうか考えた。

「芹？」

「相談！」

「ん？」

「……ちゃんと相談しないと…１人で抱えちゃダメです。グループなんだから…」

「……誰かに何か聞いたのか？」

私は首を横に振った。

「ありがとな」

歪んだ笑顔で私の頭を撫で、後ろ手に振った右手。
どうか、どうか私の言葉が少しでも羽ばたいていて、赤西くんの心に波紋をたててくれますように。

両手を組んで、曇天に祈った。

SixTONESのまとめ役に奮闘する彼の為に、

「よしっ！頑張るぞ！」

「わっ！」

未来は変えられるんだ。
そう意気込んで前を睨み付けるように目を開き、気合いいっぱいに声をあげた。
高い声の主を驚かせたと慌てた私は、目の前の存在に目を見開いた。

「武藤芹くんですよね！本物だ！」

キラキラと輝く笑顔で、その人は私の名前を呼んだ。

「あ、僕京本大我と言います。新しくジャニーズに入りました！よろしくお願いします！」

「あ、武藤芹です。コチラコソヨロシクオネガイシマス」

あぁ、願いがやっと叶った。
大我くんの瞳に、やっと映れた。
名前を呼んでくれた。

嬉しい。

嬉しい。

溢れそうになる気持ちと涙を堪えて、
改めて大我くんに右手を差し出した。
私より少しだけ大きな温かな掌が私の右手を包んだ。