検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:11,877 hit

3、世界 ページ4

おさまらない頭痛をどうにかしたくて、重い体を持ち上げた。

乾いた砂を踏み、足跡をつけて歩く。

ここはなんという地なのか。ぼくは誰なのか。ぼくはどうしてぼくなのか…

まったく分からない。

もしかしたら、この近くに人がいて、何か知っているかもしれない。

なにか思い出せるかもしれない。

そう思って、浜辺を踏みしめた。


しばらく歩くと、少しわかることがあった。

たとえば、生き物や植物、鉱石。

花、石、蝶…と、それらの名前は分かるが、なんという種類かは分からなかった。


どうやら忘れているのは自分のことだけのようだが、世界のものの記憶も少し忘れているようだ。

そんなことを冷静に確かめながら、ぼくはただひたすら崖にそって歩んでいった。


崖にそって浜辺を歩いていくと、行き止まりにあたった。

右はごつごつした岩壁、左は海水。それが遠くまで続いている。

決して人の通ることのできる道ではないーというか、ここは道ではない。

目覚めて早速、

「詰んだ」

どうしようか考えると、直感的にあることを思いついた。

壁…のぼれるんじゃないか?と。

幸い右の岩壁は大した高さではなく、ぼくの身長のちょうど2倍ぶんくらいだ。

この壁を越えた先は恐らく開けた土地だ。さすれば、人の集落や建物があるかもしれない。

岩の凹みに手をかけ、体重をぐっと持ち上げる。

案外体は軽い。

足をかけ、手をかけ、持ち上げる。これを少し繰り返せばすぐに世界が広がっていった。

体を思い切り持ち上げ、その地にしっかりと足をつける。



ぼくの口からは意図せず感嘆の声がこぼれた。

広く続く平地。石でできた道に、川、遠くにちらばる山々。少し向こうには、建物がいくつか見え、大きな都市のようなものもある。



そこは、どこまでも自然で、雄大で、美しい世界だった。

4、初め→←2、目覚め



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
設定タグ:原神 , 鍾離 , 記憶喪失
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 確認しました (6月13日 13時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 申請させていただきました。 (6月11日 0時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 他にフレンドなりたい方いれば下のコメントのIDみてくださいね!申請は一言言って下さると助かります、。 (6月7日 16時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
あねも2世(プロフ) - 月城兎焰樹さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません!IDは863621180です。よろしくお願いしますー! (6月7日 15時) (レス) id: 4f3cc5c552 (このIDを非表示/違反報告)
月城兎焰樹(プロフ) - 雑魚ですがフレンドなって欲しいです (6月3日 1時) (レス) id: da00eb3903 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あねも2世 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年12月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。