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『やっぱり、僕の思惑通り』

「……どういう」

『これ、ゆーてぃーのスマホ』


向こうにいる侑李も、どうやら外に居るらしい。
雪を踏む音が耳の奥から聞こえてくる。

思わず受話器を耳から話して見ると、確かに表記は「裕翔」


「侑李、お前…」

『盗んだわけじゃないから。ゆーてぃーがゼミ室に置いてっただけだから』

「ああそう…いやでもさ」

『まぁ、おじさんからの着信無視したのは僕の機転の良さだよね』


頭の中でアイドルばりのウィンクをかます侑李が浮かんでかき消す。

連絡が来なくて焦った俺が走って裕翔のところまで走って行けばボロが出ると踏んだのだろう。
いや、マジでなにさせてんすか…


「いや、俺マジで焦ったんだからな?!」

『スパイスがないと縮まらないと思って、
まぁとにかく一件落着したでしょ? ゆーてぃーに代わって』


どこまでも冷静な従兄弟である。


「裕翔」

「…なに」


ほら、
電話の相手教えてないからちょっとだけ不服そう。
かわいい。


親指は勝手に赤いボタンを押して電話を切った。


「でんわ、いいの?」

「…明日でいいや」


切るかどうかを決めるのは裕翔だったんだけど、
今日は許してほしい。

ほんねを晒せって言ったのは侑李だし?



「寒いし、抱きしめたいし」

「…うん」

「ちゅーもいっぱいしたいし」


繋いだ手に力を入れて、真っ暗な街を歩いた。
年末も近いせいか人は多い。


「えっちなことしたいし」

「…こーた、それ余計」


また1年、不安な夜を越えてふたりで笑おう。
距離が縮まる予感をゆっくり温めて、
寒い冬も春も、


「え、もう1回言って」

「いわなーい」




君とこの眩しく輝く世界を見ていたい。




end.

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恋桃(プロフ) - 大学生時代の2人のお話、ありがとうございました!この時からお互いに片想いしていたんですね…それから、現在のように幸せな新婚さんになったようで、とてもほっこりしました!これからもこのような短編の更新があったら嬉しいです、とだけお伝えしておきます笑 (2017年9月4日 11時) (レス) id: 76924eb30c (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - 今更ながら読ませていただきました。本当に文章が綺麗で透き通ってて、なんだか二人の気持ちが胸に突き刺さるようで…なんだかもう幸せすぎて…最高でした…!! (2017年8月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 2d66bc0919 (このIDを非表示/違反報告)
真聖(プロフ) - 完結おめでとうございます&お疲れ様でした。やぶゆと初めて読みましたが、どっぷりはまってしまいました。Subも光っててすごくよかったです。また、楽しみにしてますね (2017年7月14日 21時) (レス) id: 2105bdf65f (このIDを非表示/違反報告)
かな - 完結おめでとうございます。やぶゆと作品が少ない中、このような素敵な作品に出会えてとても嬉しく思います!何度も読み直してしまうほどでした(*´˘`*)これからも執筆頑張ってください!応援しています! (2017年7月8日 2時) (レス) id: 88f9ffd34b (このIDを非表示/違反報告)
恋桃(プロフ) - 移行お疲れ様です。過去編、ずっと楽しみにしていました。2人のはじまりを読むことが出来て、とても嬉しいです!これからも更新頑張ってくださいね!応援しています´ω`* (2017年7月2日 16時) (レス) id: 25883741b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しめじ | 作成日時:2017年7月2日 13時

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