ライト・ブライト・ハイライト2(yb×yt)

あなた(yb×yt) ページ25

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そういう描写あり

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手の持った封筒をもう一度開き、変わらない筆跡で書かれた俺の名前を確かめる。
嬉しいやら寂しいやら。
なんだか複雑な気持ちになるのは、
心配性がいつまでも治らないせいだろうか。

裕翔が留学へ出てからもうすぐ3年。
ここに来たのは半年前に1度だけ、ニューヨーク出張を取り決めた上司について行き、こっそりマンションまで会いに行って以来だ。
その時は確か夏で、裕翔の誕生日の少し前だった。

変わらず電話もメールも欠かさなかったが、
相変わらず裕翔は遠慮がちで。
「会いたい」も「寂しい」も言わずに近況報告で
俺の声をかき消した。
滲んでいるのは言わずもがなだが、
俺も俺で格好つけの癖は直らずそのまま。
当たり障りのないやりとりばかりを続けていた。

そんな折、だ。

『個展が決まったので、送ります。
新しい報告ができて本当に嬉しい。
お仕事がんばってね。裕翔』

簡素なメッセージと共に、偉く仰々しい招待状が届いた。
金文字に黒のマット地。
白のペンで書かれた文字だけは変わらないのに、
裕翔の置かれている状況はかなりの変化を遂げているようだった。


「ここ…世界的に有名なギャラリーじゃん。
宏太知らないの？」

「ああ…やっぱりそうなのか」

「裕翔の旦那さんなのになんにも知らないのは
正直どうかと思うんだけど」

「向こうに止められてんだよ。
知らないでいてほしい、って」

「ふぅん」


ふん、と鼻息で俺の惚気を吹き飛ばしてから
知念はざっくりとそのギャラリーの歴史なんかを
教えてくれた。
パソコンで調べりゃいいんだが、好奇心に関しては
それなりにあるものだから
裕翔の言う「知らない」レベルを優に越えることはしたく無かったのだ。

そんな支度を日本で済まし、有給消化と題し
着慣れないタキシードを着て、地図にあるパーティー会場までやって来た。

高層ビルで敷き詰められた街の一角に負けじと風格を漂わせるホテル。
香水装飾品、ピカピカに磨かれた調度品や大理石の床。ぶら下がる巨大なシャンデリアは目を眩ませるほどに輝き、周りの客人たちのテンションを奮い立たせていた。


「…え、っと……」


とりあえずチェックインか。

フロントに招待状を見せれば、青い目がきゅっと見開かれて持っていた手荷物全てを大きなカートに乗せられる。
日本人、しかも無駄にきょろきょろ見回していた俺に対し最初は不信感を顕にしていたはずなのに。

その答えは部屋の前に着いてすぐ合点がいった。

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