ライト・ブライト・ハイライト2(yb×yt)

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ボロボロ落ちた涙がやぶくんの肩に染み込んだ。
ため息混じりで言葉を探す。
優しくないやぶくんの癖。


「信じてくんないの？」

「……」


そういう問題じゃなくて。

このキスマークみたいなこと、
俺にはできないって思ったから。
決定的な証拠、とか
絶対的な印とか。

それに、こんなことでぐちゃぐちゃになってたら


「あー……もう、かわいすぎ」

「へっ」


コツン、とおでこが当たって
��かわいい��に頬が熱くなる。


「ごめん、怒られて嬉しい」

「…えっ…え」

「浮気とかできる気しねぇわ、
なんて言うか……裕翔といるとさ…」


ちう、と優しくキスをしてから
目を細めた。


「俺じゃないと、しあわせにできないって思う」


ぶわわわ、って身体中が熱くなる。
じっくり積もってた花びらが大きな風に巻き込まれて空へ空へと昇ってく。

やぶくんはずるい。

全部持って行ってしまう。
俺がひとりで積み上げた嬉しいも悲しいも、
ひと吹きで無かったみたいにしてしまう。

そうしたらやぶくんの手のひらからポンって、
蕾だとか花弁だとかが咲いてって。

『裕翔に見せたかった』と優しく笑うんだ。
『こっちのほうが似合ってる』とまで言うんだ。


「ち、」

「うん？」

「ちゅー、し…て」


悔しい。
俺だってやぶくんに見て欲しくて集めたのに。

やり返すようにおでこをコツン、と当てて
じっと見た。


「え」

「そしたら、」


ゆるす。

そう続けたかったけれど、あっという間にくちびるはやぶくんの口の中。
夕ご飯は後回し、いつの間にか真っ暗になった寝室に引き込まれるといつもはしない恋人繋ぎをした。

『大丈夫だって。薮さん、絶対単純だよ。
だってゆーてぃーのこと羨ましいくらい
大好きだもん』

服を脱がされながら過ぎったやまの声。


「裕翔」

「…なに？」

「ちゅーして」


そしたら


「今日、朝まで離してやんないから」


そう言ってヘラヘラ笑うやまのこと、
いい加減だと一蹴してやったけど…


「…んぅっ」


実はその通りなのかも、なんて。
初めてそう思った。






end.

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