ライト・ブライト・ハイライト2(yb×yt)

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「…スイッチ押したのそっちだから」


ジャケットを放り投げて覆い被されば、
驚いたように目をぱちくりさせる。
相変わらず純粋な反応。


「や、やぶく…」

「ふたりの時、なんて呼ぶんだっけ？」

「……こうた」

「正解」


ご褒美にちょっと長めにキスをした。
久しぶりに聞く裕翔の鼻から抜ける甘い声に
クラクラしてしまう。

もう毛布出したんだ。
寒いもんな、部屋。


「…展覧会、またあの人来た？」

「う、ん…きたよ」

「触られてない？」

「…だいじょぶ……っあ、待って、こうた」

「うん？」


スウェットの中に手を入れたところでまさかのおあずけ。
今日の裕翔は繊細だから少しだけなら言う事を
聞いてやろう。

上から視線を落とすと、横を向いて


「もう、朝だから…」

「えー？ 今から寝るのに」

「寝るから朝じゃないとか、じゃ…やっ」

「かわい」

「はずかしいから！やだっ」


どうやら身体を見られるのがはずかしいらしい。
拒否する言い訳までかわいいってなんだ。
頬を赤く染めてパタパタ抵抗するものの、


「んっ…ふ」


くちびるを塞げば簡単に力が抜けてしまう様相に
また脈拍が高まっていく。

窓から差し込む光はまだ細い。
太陽に気付かれるまでには間に合う気がする。
寂しさの隙間を埋めるには、
今この時間を大事することが必要なんだと
そう思う。


「やめる？」


「…やめ、ないで」


除き見れば、目の色が濃い青に染まる。
不安に潰されそうな夜だった。
そう言っていたから。


「優しくする」

「うん…」


熱い舌先を何度も絡ませて、ゆっくりじっくり
裕翔の不安を拭っていく。
全てが消える理由などないけれど、
なんなら消えないほうがこうして触れ合う時間が
愛おしいのだけれど、


「こうた…ぁ、もういっかいだけ……っ」

「うん…」


かわいい君を泣かせたくはないから。


「満足するまで、いっぱいしてやる」

「…っ、うん」


口の中が焼けそうになる程キスをして、
どこまでも深く裕翔を甘やかした。

すっかり明るい湯船で見た裕翔の白い肌に浮く赤を撫でれば少しだけ不満そうにしていたけれど、
離れないように俺の両腕を手で捕まえたままの事くらい知ってるから。


「後で指輪、ちゃんと拭かなきゃな」

「あっ…ほんとだ。外すの忘れてた」


お湯の中で交互に指を絡めたら指輪が擦れて
僅かに鳴った。しあわせの音。


「上がったらもういっかいね」

「もう…」


今日は赤い君の愛おしさに溺れたい。



end.

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