番外編〈優しさ〉 ページ1
太宰さんとデートの日
生理痛が酷く動けそうになかった
痛み止めも効かず、1ヶ月ぶりに予定が合ったのに
デートには行けそうにない
太宰さんに連絡し、今日は体調が悪く行けそうにないと伝える
返事は返ってこず、痛みがあるものの仕事の疲れで眠ってしまった
目が覚めると部屋は夕日で赤色に染まっていた
何時間寝てしまったのだろうか
スマホを見ると18時前になっていて、だいぶ寝てた事がわかる
あ、太宰さんから着信きてる
出れなかったの申し訳ないな
かけ直さなきゃ
「あ、起きたんだね
おはよう」
「ひやぁ！？
え？太宰さん！？」
「ご飯は食べた？」
「あ、いや、食べてないです
…えっとごめんなさい
今日行けなくて、風邪では無いんですけど…っ！」
お腹に痛みが走り、自分が生理痛だという事を改めて自覚する
「わかってるよ、尚更温めなければいけないね
薬は効かなかったのかい？」
最初から私が生理痛だとわかっていた様だった
「はい…」
「カイロとかあるよ？
ご飯もまともに食べてないだろう？」
確かに痛みで動く気がなくて1日何も食べていなかった
「とりあえずスープを飲むといい
お粥作ったら食べるかい？」
「いただきます」
そう答えると優しく微笑み台所へ移動する
自宅の合鍵は渡したあったけど
彼が来たのは初めてだった
ほとんど帰らない自宅は殺風景で物も少ない
1人でいると寂しくなる
「はい、少し冷ましてあるけど、火傷しないようにね」
「ありがとうございます」
スープは冷まさなくてもいいほど丁度いい温度で、体が温かくなる
飲み終わると涙が溢れてきて、止まらなくなる
「ごめんなさい
迷惑かけてばかりで」
「迷惑なんて思ってないよ
私が勝手に心配しているだけだ
だから泣かなくていいよ」
生理痛は情緒不安定にさせる
それのせいなのか
太宰さんの優しさが染みてなのか
涙はなかなか止まらなかった
泣いている間ずっと、私を抱きしめてくれる
優しいぬくもりの中、目を閉じる
今夜は寂しくない夜だった
続く
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msrak(プロフ) - はじめまして、こんにちは…！番外編嬉しいです、ありがとうございます！生理痛ネタと被ってしまうのですが、仕事を頑張りすぎて体調を崩した夢主を看病する話、もしくはその逆の話を読んでみたいです…！若し機会があればよろしくお願いします(*^^*) (2018年3月20日 0時) (
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作者名：茜 | 作成日時：2017年10月19日 19時
