ep.2 ページ14
『アリババ、貴方は私と剣術の修業です。私から1本取らない限り、アラジンの隣を歩かせることは認めません』
そう言ってアリババと向かい合ったAはアモンが宿っていた刀と同じくらいの大きさのものを投げて寄越す
アリ｢(思ったように動けねぇ)｣
丸々と太った体では以前の体の動かし方では馴染めないのかAの動きに着いて行くのに必死そうだ
『遅い！！』
次の瞬間にはアリババの手から刀が離れていた
アリ｢あぁ…｣
『私の勝ちです』
にこりと笑う姿に思わず悔しさがこみ上げた
『精々体重を以前程に戻してから私に挑むことですね』
丸々と出た腹に目を落としてから背を向けて去ろうとするアリババに以前出た質問がよぎり声をあげた
アリ｢なぁ…Aってやっぱり生きてた頃は王様だったんじゃねーか？｣
『…』
アリ｢話し方や雰囲気も親父とシンドバッドさんに似てるし…ジュダルと話してた時も“王の苦労”って言葉も出てたし……そうなると王様の側近か王様だと思ったんだけど…｣
『…その推理、合ってますよ。唯…』
そこで言葉を切るとアリババの方へ振り向き自嘲を含んだ微笑みをもって答えた
『“人の心が分からない”が付きますけどね』
3ヶ月後
『！』
カンっと乾いた音とともにAの手から刀が離れた
アリ｢俺の勝ち、だな｣
『流石バルバット流王宮剣術の正統継承者…お見事です』
笑顔と共にAは落ちた刀を拾った
アリ｢なぁ、やっぱりAは人の心が分からない人間じゃねーよ｣
『え？』
“王は冷たい血の持ち主だ”
“王は”
“人の心が分からない”
生前から言われ続けた私の悪評…それは全て身内で囁かれた私自身の本当の姿だと思っていた
アリ｢だって人の心が分からなきゃ太った俺達を見兼ねて剣術に誘ったり、アラジンの心配やトラップに落ちた俺を追いかけたりしねーよ
お前、やっぱり優しいんだよ。誰よりも｣
その言葉は私が一番欲しかった言葉
“君は僕が造った████だからさ”
“俺を”
“私を”
““見て欲しい””
『…ありがとう…、ありがとう、アリババ…』
泣き崩れたAにアリババは何も言わずに背中を摩っていた
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にこりしち(プロフ) - 真名がいつ出るのかとても楽しみです！！あと話変わりますが自分はバビロニアで好きなシーンはギルが千里眼を使った所です() (2020年5月14日 1時) (
レス) id: fb4fdfdee0 (このIDを非表示/違反報告)
妄想girl(プロフ) - オルタさん» ありがとうございます！！構想は世界会議編までは何となく構想は練ってあるのであとは文才と閃きを待つのみです…コメントありがとうございます！ (2018年9月5日 23時) (レス) id: 01b5076d95 (このIDを非表示/違反報告)
オルタ(プロフ) - 更新頑張ってください！！読むのが楽し過ぎてやばい！！ (2018年9月4日 22時) (レス) id: 221412867c (このIDを非表示/違反報告)
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