私がこの世でいちばんです (ページ39)

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ーside JHー

曲が仕上がってから、すぐに歌詞振りも終わった。
タイトルは"Power"。

今日は、収録日。

『3プリ』のカメラも入って、収録が始まる。

今回の曲のテーマは、CELI率いる4人の悪ガキ集団。

"CELIに偉そうにものを言うバカな大人たち
お前達が地面に額を擦り付けてる間に私は上へ行く

CELIに夢中で怪我したバカな男たち
御愁傷様、ケツに絆創膏貼って二度とツラ見せんな

SUGAみたいな塩辛さとHOPEみたいな残酷さとMonsterみたいな可愛さしかお呼びじゃない"

初めてCELIのラップを聴いた。
ゾクリと鳥肌が立つ。

特徴的な、ハリのあるハスキートーン。

ラップでもボーカルでも、"声"という武器は最強だ。
CELIはそれに加えて一音一音に技術が込められていて。
強制的に注目してしまう、支配者のような、まさにCELIらしいラップだ。

気を抜くと、一瞬で俺らのラップが喰われる。
コラボの怖いところは、実力が乏しい奴の声がBGMみたいになってしまうところだ。

『うわ、CELI上手いな。俺ら本気ださないとヤバい。』
思わず苦笑いする。

CEL「、、何言ってんの？私は常に本気なんだけど。逆に本気出さないつもりだったの？」

"それって凄い失礼だよね"
ムッとした表情でこちらを見てくるCELI。

ハッとする。

いつから俺は本気でやらなくなってた？
ダンスばかりで、ラップは二の次でも許される。そんな甘えが、いつの間にか生まれていた。

『そうだよね、常に全力じゃなきゃ。』

"SUGAと油断して口に入れればソルト
白い仮面に隠れた牙に注意

SUGAみたいに甘い顔で
屍の階段を登る、おれの踏み台なれて光栄でしょ？

CELIに近づいた男の屍が今日も増える
アイツらにHOPEはない
次の日にはmonsterのエサ"

ユンギヒョンのパートが始まる。
いつも以上に鋭い目つき。

あぁ、そうかこれは戦いだ。

本気の実力のぶつけ合い。

___なんだよ、最高だろそんなん。

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