こもれび (ページ27)

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「...はぁ、ずるい、」

結局5回も果てた(いや最後の方ほとんど覚えてないけど)俺は雅紀が体を拭いてくれるのをぼーっと眺めていた。

「ずるくないよ。翔ちゃんが煽るから。」

「！、んぁ。、、もう、！」

「えへ。」

さっきから体拭きながらたまに指を体に滑られせてくる。そしてそれはいわゆる弱いトコロばかり。

力が抜けてなければ蹴ってる。

まあそれも絶妙なラインを超えずに飽きたらしく、
タオルを持って洗面所に行ってしまった。

俺と雅紀はちょうどいい。
凹と凸が上手くハマっているなんて美しいものではなくて、凹と凹を擦り合わせているだけ。

気づいた時には潤が好きだった。

そのことには目を逸らしてメンバーとして付き合っていたし、頭でも諦めきっていた。

でも、あの時。
急に潤がオトナになった時。

周りから見れば、ちょっとした反抗期。成長において必要な過程。わかりやすいキャラ作り。そんなとこ。

それが俺には大きすぎるショックだった。

無条件で着いてくるんだと思ってたし、尖った潤も俺にはかわいい子犬に見えると思ってた。

なのに、潤は俺だけにあからさまな距離をとった。

人並みにそういう欲はあって、むしろ仕事のストレスの大きさからすれば人並み以上だった。

仕事上そういうのは控えてきたはずだったけど、その時あまりは夜出歩いて誰かの体の熱を求めた。一度男性に抱かれてからは僅かにあった理性から女性より男性の方が口が堅いだろうって理由だけで夜な夜なその日限りの男性の腕に包まれた。

そんな時。
雅紀がニノに振られたと泣きついてきた。

俺は雅紀の気持ちと告白したという事実に驚いたけど、持ち前の兄貴肌からほっとけるはずもなく毎晩飲みながら泣き言に耳を傾けた。

そして前触れもなく雅紀は「俺、知ってるよ。俺が抱いてあげる。俺に抱かせてよ。」と黒い目で迫ってきて、俺はそれをそのまま受け入れたのだ。

そして俺と雅紀は溺れた。

ニノが大野さんに絡んだり、潤が前に共演した女優と微笑みあったり、互いがフラストレーションを溜める瞬間を見ては目でその夜の約束をした。

なんでもない夜の遊びにもした。

互いに気持ちがないのかむしろ心地よかった。

メンバーだから予定もつきやすかった。

外部に漏れる心配もない。

20代前半の俺らにはこれ以上のことが思いつかなかった。