おかえり (ページ18)

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「あ、ニノ？」

後ろから聞き馴染みのある声が聞こえて、少し嬉しくなって振り向けばスーツ姿の翔ちゃん。

「収録？」

「うん、そう。今終わったの。
翔ちゃんは、、zero関係かな？」

「半分正解。
別の所で取材してて局の近くまで来たから、ついでに来週の分の資料もらいに来たの。」

「わー、よく働くね。」

「、、あー、うん。」

「ん？」

「あのさ、今日この後なんかある？」

「いや、別にないよ？」

「本当に？あ、でも、家でやることとか、。」

「翔ちゃん、今どき中学生でももっと上手に誘えるよ。笑

昼食べた？俺、気になってる店あるの。連れてってよ。｣

「、、ありがとう。じゃあ、ちょっと行ってくる。
ごめん、待たせるけど。」

「あー、いーよ、気にしなくて。行っといで。」

そう言うとパタパタ駆けていった翔ちゃんに笑って、先にマネの車に向かった。

・

「すごく素敵なところだね。」

「そう、良いっておすすめされたんだけど、ひとりじゃちょっとね。翔ちゃんいて良かった。」

「ふふ。ありがとう。」

少しお高めだけど、個室もあるしランチもメニュー豊富でどれも興味をそそる。

翔ちゃんはホタテの膳を、俺は天ぷらの膳を頼んで、
少し待つだけでテーブルは綺麗に彩られた。

おいしい、なんて言い合って、いい頃合いじゃない？

「翔ちゃん、本題入ってよ。」

「うん。えっと、。

『仕事と私どっちが』って聞かれちゃったらどうするのが正解なのかなって。」

「え、本題それ？？」

「あ、ごめんね、内輪の話で、。」

「えっと、本題ってことは翔ちゃんが言われたの？
翔ちゃんが？え、大野さんに？？」

「、うん、、。」

「、信じらんない。」

「いや、でも。智くんは悪くなくて。俺が、」

「違うでしょ。翔ちゃんの仕事姿見てて、ってか同じ仕事してるんだから、その言葉の重みわかって言ってるんでしょ、ってこと。
ちょっと大野さんに電話する。」

「ちょっ、違うの！ニノ、聞いて？お願い。」

「はぁ、優しくしすぎてばっかじゃだめだよ。」

「俺だってびっくりしたし、悲しかったし、切なかったけど。
なんか、俺も考え直したっていうか、。」

必死な様子に免じて取り出した携帯を一旦しまう。

そんな俺に少し息を吐いた翔ちゃんは、座り直してじっと俺を見つめた。

しっかり長くなりそうだ。