□51. ページ7
･
他の新入隊員はラウンジに時枝くんが移動させ、風間さんと修くんの模擬戦が始まる。風間さんの模擬戦の申し込みに逃げずに受けてたった修くん。私は遊真くんと一生に観覧するために階段をあがっていく。
『おっす！烏丸くん！後輩見に来たの？』
「Aさん、お久しぶりです。はい、てか俺の弟子なんです三雲修」
『えー！そーだったの！』
「毎日、修は烏丸先輩に扱かれてます」
へー烏丸くんが師匠……。私は今から始まる風間さんと三雲くんの模擬戦に少し期待を持ち、視線を移す。模擬戦が始まり、2人の戦闘を見る。風間さんは容赦なく修くんをボコボコにしている。修くん自身はお世辞にも強いとは言えない……
だけど__
『……いいねぇ、嫌いじゃないよ』
「…へぇ、意外です。Aさんがそんなこと言うなんて…お世辞にもあいつ強くはないでしょ」
『まぁ、ねぇ、でもあの目は諦めてない目だよ。たとえ弱くても諦めない子は好きだよ。絶対強くなれる』
「ほう、なかなかAさんお目が高い。修のいいところをよくわかっていらっしゃる」
「流石ですAさん」
『え？えへへ？そう？そんなに褒めんなって』
急に褒められて恥ずかしくなり頬をポリポリとかく。普段褒められなれてないぶん、たまにこうやって褒められると免疫がついてないためどんな反応すればいいのか分からない。
「鳥丸先輩、もうやめさせてあげてください。見るに耐えません」
「キトラ」
『木虎ちゃん……』
いつの間にか私たちの方へ近づいてきていた木虎ちゃんが頬を染めながら鳥丸くんに言う。
「三雲くんがA級と戦うなんて早すぎます。勝ち目はゼロです」
「なんだ修の心配か？」
「なっ……ちがいます！」
「オサムだって別に直ぐ勝てると思ってないだろ。先のことを考えて経験を積んでんだよ」
「"ダメで元々""負けも経験"いかにも3流の考えそうな事ね、勝つつもりでやらなきゃ勝つための経験は積めないわ」
『おお〜』
「お前いいこと言うな」
私は木虎ちゃんの言葉に思わず拍手する。木虎ちゃん、本当に年下なのかと思うぐらいいい言葉言うからお姉さんびっくりするよ。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 426人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
