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入院してから1週間後、私は無事退院することができた。医師が思っていたよりも怪我の治りが早かったらしくとても驚かれた。そして公平達には「ゴリラ」なんて不名誉なあだ名をつけられた。
『ん〜！やっと退院だ！』
「お前これで荷物全部か？」
『あ、うん。公平わざわざありがとう』
「これぐらい大したことねーよ」
『……あれから本当に毎日お見舞いに来てくれるなんて思わなかったよ』
「約束したしな」
『ありがとう』と弱々しく連呼する私になぜか怪訝そうな顔で「お前らしくねーな。天下のA様はどうした」と言った。
『ただお礼が言いたかっただけ』
「……明日大雪降るんじゃねーか？」
『失礼って言葉知ってる？』
思い返せばどんな時も隣にいてくれた公平。
母を亡くして落ち込んで私にいつも声掛けてくれて「お前のせいじゃない」って慰めてくれた。
ボーダーに入ったのも公平が紹介してくれたからだ。
私の居場所を作ってくれた。
そして今回の入院でも毎日お見舞いに来てくれた。
退院日には荷物持ちとして付き添ってくれてる。
『いつ言えなくなるか分からないから、感謝の気持ちはちゃんと伝えないとね』
「なに縁起でもないこと言ってんだよ」
『安心しな！私、公平より長生きするから！』
「おーおーそーかい」
『ギネス記録越すから見てなよ！』
「……見てろって、俺そこまで生きれる自信ねーわ」
ギプスをしてない左手で公平の小指と小指を絡め、指切りげんまんをする。私の行動に何してるんだこいつみたいな表情を浮かべている公平にニコッと笑う。
『どっちが長く生きられるか勝負だね』
「やれやれ、あと何年お前と一緒に居なきゃいけないんだよ」
小指を解き私のことを置いて歩き出す公平の背中を追う。
いつまで、こうやって公平と肩を並べて歩けるんだろう？そんなことを思いながら私は歩く。
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