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『城戸司令……お聞きしたいことがあります』
「……なんだ？」
『城戸司令は……川瀬真子を知っていますか？』
私の言葉に滅多に表情を変えない城戸司令が少し顔を歪ませる。その顔を見て確信した城戸司令は母を知っているのだと。
私は堪らず動かしにくい身体を動かし城戸司令に詰め寄る。
『教えてください！！母のこと！』
「……どうしてそんなことを私に聞くんだ」
『レプリカが城戸司令に聞けばわかると……私にはその権利があるって』
「……君はどうして知りたいんだ」
『…私、母のこと全然知らないんです……親戚も会ったことないですし、母のこと聞く人がいなくて……幼い頃の記憶なんてほぼ消えていると思います……だから知りたいんです。どんなことでもいい、母のことを知れたらもしかしたら父のことも分かるんじゃないかって……』
「……」
『……父は会ったこともありませんし、どんな人かも知りません…名前も知らない……』
知りたいんです……と少し震えた声で言うとそっと目を閉じた城戸司令は胸ポケットから一枚の写真を取りだした。私はその写真に釘付けになった。そこに居たのは今の私にそっくりな顔があった。
『お母さん……？』
「……そうだ。川瀬真子……君の母親と私は知り合いだ……
『城戸司令が……お母さんの……じゃ、じゃあ、もしかして私の父親って……』
「……残念だが私ではない……君の父親は……"
城戸司令の言葉で私の体に雷のようなものが落ちた感覚がした。遊真くんの父親が、私の父親……？
『どういう……っ母は私しか産んでない』
「そうだ。空閑遊真と君は腹違いの姉弟になる」
『腹違い……？』
キャパオーバーすぎる情報量に頭がパンクしそうだ。
城戸司令はベッドサイドに置いてある椅子に座り、ゆっくり目をつぶりぽつりぽつりと話し始めた。
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