びーきゅー隊員ちゃん。Ⅱ【wt】 (ページ39)

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病室に入ってきたのはボーダーの最高責任者である城戸司令だった。まさかの来訪者には私は目を丸くし、悪い方向にどうしても考えてしまう。

……まさか、またボーダー辞めさせられる案件発生？

タラタラと嫌な汗が流れていくのがわかる。

城戸司令は「失礼する」と一言いい、ベッドの方へ近づいてくる。私は慌てて身だしなみをととえる。といっても髪と病衣だけだ。コツっと私の近くまで来た城戸司令は「傷の具合はどうだ？」と聞いてきた。

『あ、え、はい、順調に進んでおります』

「進む？」

『違います。すみません。順調に治っています』

緊張してしまい、何が言いたいのかわからなくなった私はよく分からないことを言ってしまった。
これではバカ丸出しではないか。穴があったら入りたい。

「そうか……それは良かった」

少しだけ城戸司令の顔が優しくなった気がした。こんな表情できるんだなんて凄く失礼なことを思ってしまった。

ーー彼女のことが知りたければ城戸司令を訪ねるといい
……君には知る権利がある…

その時ふとレプリカが言った言葉が頭の中によぎった。

知りたい…けど、何を知るの？

母のこと知らなすぎて何を聞けばいいのか分からない。

そしてなんで城戸司令なんだろう？

いろんな思いがグルグルと頭の中を回っていく。

だけど、

どんなことでもいい…たった1人の家族のことを知りたいと思うことは当然だ。

私はギュッと手を握りしめ、意を決して口を開く。

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