□62.17歳組 ページ18
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NO side.
三門市立第一高等学校。
警戒区域の西南西の区域に位置し、ボーダーと提携を行う普通校。
そこで今、因縁のような戦いが始まろうとしていた。
『まさか……ここで会うとはな』
「ふ、ふ、それはこっちのセリフだよ」
『今日こそは、勝たせてもらうよ瑠衣』
「寝言は寝て言いたまえA」
「ちょちょっと！2人そんなに凄まないで！ただの体育のバレーじゃん！」
2人の因縁クサイセリフに思わずツッコミを入れた両者のクラスメイト。そう、2年Bクラスの川瀬Aと2年Eクラスの小佐野瑠衣は現在バレーボールのネット越しにこのやり取りを行っていた。小佐野と一緒のグループにいる熊谷は呆れた表情で二人を見ていた。
『分かってるよね瑠衣……この勝負に勝ったら……』
「分かっているさ。すわさんの写真(隠し撮り)を撮ってくるっていう約束でしょ……大丈夫、約束は守るよ」
『……それが聞けて安心した……さ！みんな頑張ろう！！』
頑張る理由が不純すぎる！と熊谷のツッコミが聞こえていないのか、サーブのためにコート外に歩いていっていた。川瀬と同じチームメイトはいつも通りの彼女の発言にあまり驚きはしておらず、「A入れなよ〜」「入れないとすわさん？の写真破るからね〜」と煽るようなセリフをかけている。川瀬と親しいこのメンバーは彼女が"すわさん"とよく発言するため顔を知らない彼の名前を覚えていた。
『……いくよ……くーちゃん！！』
「え！？わたし！？」
ボールを上に高くあげジャンプサーブを打つ。抜群の運動センスを持っている川瀬はスポーツ全般は全て平均以上にこなせる。熊谷に向かって打ったサーブは熊谷の正面に行ったが、威力が強かったため、熊谷は上手くレシーブできずにコート外に飛んでいった。
『いえーい！』
チームメイトとハイタッチを交わす。運動神経がいいが、それを鼻にかけることはせずに楽しい雰囲気を作ってくれるのが彼女の魅力であり、川瀬が慕われる理由である。
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