□55.×生駒隊 ページ11
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NO side.
『あ！イコさーん！』
「どないしよう。俺に向かって女神が手を振ってくれとる」
「何言ってはるんです？川瀬ちゃんですよ」
防衛任務から帰ってきた生駒隊を見つけ手を振りながら川瀬は走って近づく。川瀬を女神と言う生駒は両手で顔を覆い、照れている。それにすかさずツッコミを入れる水上。いつも通り、正常運転の生駒隊だ。
『イコさん、これ嵐山さんから預かったんですけど、タオル忘れてたらしいですよ』
「……届け物してくれるとか女神の化身や、嬉しすぎて俺死にそうやわ」
「だめやわこれ。自分の世界に入ってもーとる」
「あ！川瀬ちゃんじゃーん！」
「お、ほんまやAやん」
生駒と水上の後から現れた隠岐と南沢。南沢は川瀬と親しげに「イエーイ！」とハイタッチをする。一方未だに川瀬を直視できない生駒。水上はやれやれと言ったようにため息をつく。
「で、イコさんは何してはるんです？目を覆って」
「いやーいつものあれやわこれ。川瀬ちゃんが神々しすぎて直視できない現象」
「はいはい！俺も直視できないっす！」
「お前バリバリハイタッチしてたやん」
『え、私見れないとか…私何かしました？』
何故生駒が直視できないのか理由が分かってない川瀬は水上、隠岐、南沢の言葉にガーンと1人で傷ついていた。あーとバツが悪くなった水上が「悪い意味ちゃうよ」と頭をかきながら言う。
「あれやあれ、川瀬ちゃんが好きすぎるあまり、諏訪さんを直視できないみたいにな感じや」
『ん？ん？』
「水上先輩ダメやわ。Aにこういう手の抽象的な説明じゃぁ、ほら、全然わかってないです」
「えー、つまり、イコさんは川瀬ちゃんのこ」
「それ以上言ったら俺爆発するからな！！」
本人を通り越して川瀬に思いを告げようとする水上を手をばっと出し、すかさず止める生駒。
ーー
好きすぎて直視できない。
ーー
「まぁ、気にせんとあげて。思春期やから色々あるんや」
「いや、水上先輩。イコさんもう思春期やないですよ」
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