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「上条〜っ！！」
寂しかったんだからな！と勢いよく肩を組んでわいわいと叫ぶ切島くん。一応記憶が無い設定なので、目を白黒させながら距離を取った。
「上条？」
「ええっと…ごめんなさい。私の友達なんだよね？実は記憶を無くしてまして…」
「記憶？大丈夫かそれ！」
「A〜、もうっ、朝は一緒に行こうって言ったでしょ？」
後ろから声がして振り返ると、花の良い香りが辺り一面に広がった。ああ、七彩が追ってきたんだなぁとほぼ絶望にも近い感情が胸の中で渦を巻く。
＿＿＿切島くんと七彩が出会っちゃった。
もう彼は七彩に夢中だろう。今まで彼女と出会った人々はみんな虜となっていった。切島くんも例外ではないはず。
「…っ、貴方は？」
「うす、切島鋭児郎って言います！上条の友達で…っあ、おめぇが言ってた美人な姉ちゃんてこの人！？」
「………うん、そうだよ」
やっとできた友達を、いとも簡単に自分の物にしてしまう七彩が憎たらしい。なんでそうやってなんでも奪っていくの。
「んじゃ、俺ら話あるんで失礼しまーす！」
「………え？」
少し強い力で腕を引かれ、そのまま歩き出す切島くんにほぼ素で声が出た。なんで。七彩が目の前に居るのにどうして私を選ぶの。
「……っと、ついA組の真ん前まで連れてきちまったけど上条のクラスは遠いもんな。ごめん、戻る？」
「えっと、大丈夫。じゃなくて良いの？七彩…お姉ちゃん行っちゃったよ？」
「…？別に良いけど。つか俺が話しあんの上条だし！詳しく聞かせろよな、なんだよ記憶喪失って！」
顔をグイッと近づける切島くんに、もう訳が分からない。今までこんなこと無かった。私よりも七彩を選ぶなんて。
「…七彩お姉ちゃん美人だったでしょ？」
「ん？おお、すっげー綺麗だなっては思った！…んでも、お前の方がかわいーよ」
そんな事、言われたこと無かった。もう何が何だか分からなくて顔に熱がいってしまう。そんな私の様子を見てやっと自分の発言を理解したのか、私よりも顔を赤くして「…やべ、」と顔を抑えた。
「…っ、私教室戻る！」
この状態で居るのはまずい、一回頭を冷そう。
顔を隠すように逸らして目も合わせずに踵を返した。遠くの方で切島くんが何か言ってたけど、今は無視させて貰おう。申し訳ない。
＊＊
「…ったく、またやらかしちまった」
まだ顔の熱が引かない切島が教室に入ろうとドアを開けると、緑谷が気まずそうにたっていた。
「お、どーした緑谷？そんなとこに突っ立って」
「いや、ごめん…なんでもないよ」
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トオ(プロフ) - あの、もう一気読みしました…好きすぎて……こんな作品作れるなんて凄くないですか？めちゃくちゃ尊敬してます… (2022年8月21日 10時) (
レス) @page18 id: 316392659a (このIDを非表示/違反報告)
43yomi1(プロフ) - あ、滅茶苦茶好きです…！ (2021年4月18日 5時) (レス) id: 674eb44c7b (このIDを非表示/違反報告)
*紅_あか* - わわわ！わー！！好きです！！！すっごい好きです！！！！あの…なんて言うんだろう…表現の仕方？とストーリーと夢主の思考？を行動に写して、わくわく(…かな？)してしまうほど好きです！！！！！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: d344c61285 (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - みかさん» ひゃーっっ、ありがとうございます！！皆さんへどんでん返しできたかな？とニマニマしながら執筆してます！笑 (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
春風 恋(プロフ) - チヒロさん» 分かりますかっこいいですよね切島くん(最推し) (2021年4月7日 13時) (レス) id: 41a6911d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春風 恋
| 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2021年3月27日 13時
