あなたと私の幸せな世界【イナイレ】 (ページ5)

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5話鬼道の怪しい笑顔はすごい意地悪そうページ5

1人だけ残ってしまい、周りを見渡すメガネの人も、きっとこんな事になるなんて考えてもなかったのだろう。
コートから逃げ出してどこかへと走り去ってしまう。

運動苦手っぽそうだし、本当に数合わせだったのかもしれない。
可哀想だけど、そういう世界だから諦めて、としか思えなかった。

一つため息をついて、今回はデータを取るなんて無理かもなぁなんて思いながら、メガネの人が逃げて行った方を見て、安堵の笑みが浮かぶ。
やっと出てきたか...。

今回のターゲットである豪炎寺は、逃げ出したメガネの人が脱ぎ捨てて行ったユニフォームを着てグラウンドに入って来た。
彼が着るのを見越したかの様な｢11｣の背番号にもう呆れるしかなかい。

コートに入る豪炎寺を見て、駆け寄りながら止めにかかる審判と顧問らしき男。

｢良いですよ？俺達は｣

ニヤニヤと意地悪く、と言うか怪しい笑みを浮かべた鬼道が、審判と顧問を止める。
こちらの目的はその人なのだ。
むしろカムバックである。

総帥からも必要ないと言われていたが、こっそり持ってきていたビデオカメラを回す。
いや、別に今までのを取らなかったのは本当に何も得るものがなかったと言う訳ではなくて、今回のデータは豪炎寺だからいらなかっただけで…。

なんて心の中で言い訳してみるが、結局のところ総帥としては見て判断するだけで満足なのだろうな。
見直す事もないだろうけど、と向こうのコート全体を映す。