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第四十六話 ページ47




「会いに来てくれたんだね、嬉しいな!」

「んなわけないです」

「えぇ!じゃあ如何して?」


ねぇねぇと問い詰めるマークさんから何(メートル)も離れた後方で縮こまるオルコットさん。
正直気になるし虐めっ子の気持ちになるから此方に来て欲しい


「あの、オルコットさん?
貴方は如何して此処に?」

「そう云えばそうだ!如何して?」

「えぇ、と……その、フィッツジェラルド様が」


微かに寄せた眉に気付いたのか慌て出し、モゴモゴと言葉を溜めるオルコットさん。本を抱き締め顔を少し(うず)めた

フィッツジェラルド……まぁ、彼が報告をしてないわけが無いしラヴクラフトさんが監視なのは判る。判っていて変えて欲しいと心中叫んでいたわけだが。

然し……


「何故、貴方が選ばれたんですか?」

「え、あ……まだ、猶予はありますし、他の方は、忙しそうでしたし……」


随分と適当だね。……いや、マークさんの事だし騒いでないわけがないし、ジョンさんとの話しが最優先事項とも云える。
彼らが居るならばオルコットさんでも善くて、逆に云えばまともに接待が出来るのがジョンさんが着替えている間は彼女しかいないと……

……成る程、少し感謝しておこう


「ジョンさんが来るまで此方でお話ししませんか」


ニコリと笑みを浮かべて手招きをし、誘う
微かな悲鳴を上げた彼女は喉から頭のてっぺんまで真っ赤になり、益々強く本を抱き締めた

余程混乱しているのか聞こえるのは呻き声だけで、足は震えたまま動きそうにない。逆に善く立っていられるなと感心した


「……無理そうですね」

「彼女はちゃんと話すまでが途方も無く長いよ

それはそうと、如何して此処に?かなり厭がっていたと聞いたし来る筈ないと思ってたんだけど」

「ジョンさんと話がしたくて」


言った途端に質問攻めが彼である
総スルーしつつ紅茶を飲んでいると、閉まっていた扉が開く。蝶番が微かに軋んだ音を鳴らす


「……えっと、来ない方が善かった?」

「いいえ?来てくれて助かりました」

「狡いよスタインベック!!」

「えぇ……?」


八つ当たりの様に叫んだマークさんに戸惑った笑みを浮かべるジョンさん
澄ました顔のまま、オルコットさんには謝りつつ空気に近かったラヴクラフトさんも騒ぐマークさんも全て部屋の外へ押し出せば、静寂ばかりが部屋を包む


「漸く、ゆっくり話せます」


今度は私が苦笑した

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柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和寂 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2018年4月5日 5時

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