第三十九話 ページ40
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「異能力『闇中問答』」
「『ヰタ・セクスアリス』
行こう、エリスちゃん」
「えぇ、リンタロウ」
エリスが浮かび上がり、髪が
刹那の内に狙いを定め弓を引いた彼女はーーー迷いもなく手を離した
矢に交差するように向かっていくエリス
森は薄ら笑いし、彼女もまた笑って口を開く
「死ぬべきは、貴方じゃない」
「そして、君でもない」
エリスと矢が衝突しかけた瞬間ーーー
矢に黒く刺々しい羽が生えた
羽は大きくなり、狭い路地の壁を割いて突き進む。肥大化し過ぎた羽は彼女を覆い隠し、鬼魅の悪い笑みを浮かべたまま消えた
エリスも咄嗟に方向転換し、かわしている
「首領!」
「何、狙いは
ニンマリと深い笑みを見せる森に皆が困惑し、中原が前へ出かけたその時だ。
矢がエリスと共に彼らの真後ろの斜め上を突っ切り、エリスが大きな注射器を構えた。小さく狭い暗闇の中に鋭い注射器の針を深く突き刺す
「ぎゃぁあ!」
何も無かった闇から出てきたのは人間。それも成人男性のようなガタイの善さだ。其れがあんなにも狭い闇の中に?何の冗談だ
そう云いたげな皆の反応に森は見る素振りも無く羽を生やしてエリスを追随する矢を見ていた
ユラリ、闇から抜け出した彼女が落ちてくる破片も気にせず言葉を紡ぐ
「お前達は、本家の忍だよね……漸く出て来た」
破片の大きさが小から大へ。物音も大きく、そして一気に騒音となる
ガラガラガラーーーーガシャァアン!!
唯一とも云える通路の両側の壁が完全に崩れ落ち、彼女の踵から数
耳に痛い音に顔を顰めた彼らが顔を上げる。視界に入った漸く獲物を捕らえたと云わんばかりの彼女の笑みに、寒気がした
まるでーーー幼い首領のようだ。
広津までもがそう思い、固まる。亡霊のように歩いて来て開けた場所へ足を踏み入れた刹那、矢の羽が尚も肥大化し、敵らしき男に何者の侵入も赦さんと云わんばかりの影を落とす
「殺してやる、お前達だけは
殺してやる、魂の欠片も残さずにーー!!!
異能力『闇中問答』ーーー悪魔の鉄槌!!!」
羽が、闇が、矢がーー悪魔が男を魂さえも喰らい尽くした
そう云い表すしかない、後にその場にいた者達は口裏を合わせたかの様に揃ってそう云ったという
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柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)
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