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第一話 突然の来訪者 ページ2



白い寝具にシワを作り、黒い髪を少し散らばらせて眠るのは高校生くらいに見える少女
片腕だけを布団から出し、何時でも脈拍を測れる様にして置いた

自ら寄り添っていると進言した男ーーー太宰は本を片手に考えていた。


唐突に飛び込んで来た少女
窓の外には誰もいなかった。のにも関わらず何者かに吹き飛ばされたように飛んで来て、身を打ち付け気絶。

探偵社の仲間が嘘をつくとは思えない。だからこそ太宰でも判らなかった。


ピクリ。

少女の出された腕の指が微かに動く。瞼も動き、目を覚ます事が判った太宰は音を立てて本を閉じる
それを合図とするように、少女が目を開けた

真っ黒な瞳だった。

天井の光を綺麗に反射し、けれど何処までも黒い
自らの宿す闇とは、また違った闇。
太宰は目を見開く。底の知れた闇だけれど、手を突っ込むのを思わず恐れてしまう闇だ、そう思った

ユラリと動いた黒目が太宰を寸分違わず映す
黒い鏡を見ているような気分になった太宰は固まっている。が、直ぐに気を取り戻しニコリと微笑んだ


「目が覚めたかい?」


端正な笑み。神が与えた彫刻のように美しく、そこらの女性ならば、恍惚とした息を吐く程に。
優しげな声音は誰しもを安堵させ、そして魅了する
けれど少女は目を見開いた


ありえないものを見ている。そんな感情を感じとり動揺と同時に疑心を抱いた太宰と対照的にーーー

少女の瞳に、光が産まれた

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柚羽(プロフ) - 和寂さんの書き方に惚れました!更新、応援してます! (2018年4月9日 22時) (レス) id: cf2592aa4a (このIDを非表示/違反報告)
庵脊(プロフ) - 夢主チャンに惚れました!!更新頑張ってください!勝手ながらも応援させていただきます!!! (2018年4月7日 5時) (レス) id: 4f85448558 (このIDを非表示/違反報告)
博多の塩 - 夢主ちゃんかっこ可愛い!色んな組織に狙われる...なんて美味しい展開←更新遅くても良いので頑張って下さい。 (2018年4月7日 0時) (レス) id: e9e8ce5522 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 主人公ちゃんかっこいいです♪素敵な作品ありがとうございます。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: e557b2d593 (このIDを非表示/違反報告)
ほほふー - なんですか、この神作品(白目) (2018年4月6日 16時) (レス) id: b3e457f7f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和寂 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2018年4月5日 5時

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