【REBORN!】空とサルビア、時々ハサミ。 (ページ1)

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第1章立てば芍薬座れば牡丹、口を開けば何も無し。ページ1

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空を飛ぶ鉄の鳥の胎内、エスプレッソを傾け幾枚かの書類を目で追っていた。
その者は黒いイタリアンスーツを華麗に着こなし、これまた黒のボルサリーノを被っている。
くるり、とした愛らしい揉み上げがとても印象深い。

この文章だけ見たらさぞかし男前なイタリアーノを側頭葉に浮かべる事だろう。
然し乍ら、そこに居るのはそれではく。
だとしたら、仕事の出来るきりりとしたキャリアウーマンか。
それとも、モノクルを掛けていそうな初老の男性か。
それか、少し気取って見たいお年頃のお坊ちゃんティーンか。

だったら、ならば、ということは、もしくは、まさか、しかし、では、だが、、、、、、

エトセトラ、えとせとら、etcetera。

そして、閑話休題。

事実はだがしかしとして、一つしかなく。
彼がそうであるという事はその姿が物語っており、またこの目にもそうと写っているのだからとて。
だからこそ、建前は不必要であると。

つまりは、赤ん坊。
ただ、ただ、ただ。どこまで行っても赤ん坊である。

「なかなか面白そーじゃねーか」

当然ながら可愛らしいベイビーボイス。
カ行の発音に力が入っていたところを見ると、呂律が回りづらいのだろう。
そこ迄ならばまだ可愛いと言えただろうが。
その後の、ニヤリ、とした笑い方と雰囲気。
可愛らしい赤ん坊というよりかは、男前なイタリアーノ方があって居る気さえしてくる程のそれ。

ばさり、と書類を卓上に乗せた赤ん坊。
その書類には二つの名前と生き様が。

【沢田綱吉】

【沢田寧々】

そうして赤ん坊、否、悪魔は笑む。
その笑みはこれからを暗示している。