【3度目の正直】※リク ページ1
「ただいま」
「おかえり、A」
私は「いってらっしゃいのチュー」とか「おかえりなさいのチュー」というものに魅力を感じたことがこれまで一回もない。大体そんな儀式的な毎日のサイクルにキスを付けくわえて、いや付け込んでキスをして楽しいのか。
キスとは本来結婚式とかで誓いの証として交わす神聖なものだろう。それが今では軽々と…。
いや、違う、私はキスの研究委員会とかではない。ただ単純にこの手が早い男に腹を立てているだけだ。玄関からリビングへと続く廊下の扉を開けようとしたその時、先に開けて来た王さまにされた短い口づけに恥じらって心中こんなことを考えている。
「なに、いきな…り……」
キッとにらんだその時、私の喉から出かけた言葉が堰き止められる。
腕を組んで壁にもたれかかる王さまが目を細めて、笑った。
そのぎらぎら光る翠が私にこう言う。
「おいで」と。
しかし、その目は決して優しく甘いものではないことを私はよく知っている。甘いものは舌先でなめらかに溶けていくはずなのに目の前のソイツは私に甘味を与えてくれるシェフにしては、余りに危なっかしい顔をしている。包丁の扱いに慣れている筈のプロが見せるのは違う使い方。調理と言うよりは狩りをするような怪しさを含んだ声が吐息に乗せて吐かれた。
「物分かり悪いんだよなぁ、おまえ」
「……私、なんかした?」
笑顔に含んだ、謁見を認めぬ威圧と怒り。
「今日一緒に居た奴、誰だよ」
「守沢だよ。
いい加減、元同じ学校の奴くらい覚えろよ」
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眠井さん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年2月26日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - 続きが見たいです!更新待ってます! (2019年12月30日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - お願いします! あっ、でも無理はしすぎないで下さいね。お体にお気をつけて。応援してます! (2018年4月20日 18時) (レス) id: adf71d9ee3 (このIDを非表示/違反報告)
かきのたね(プロフ) - お二人共コメント返信遅くなりすみません!ぜひやらせていただきます! (2018年4月20日 11時) (レス) id: 927894499b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 合コンネタやってほしいです!リクエストでいいですか? (2018年4月19日 22時) (レス) id: adf71d9ee3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かきのたね | 作成日時:2018年1月2日 23時