緋く気高く儚いキミ (ページ12)

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10話ページ12

「第3号 301番ギタラクル、12時間2分」

ババ抜きの相手をして約6時間、全身針男が到着した

「君は既にゴールしてると思ったよ、ヒソカ」

目の前の変態は男の言葉にニヤリと笑い返す

「いよっしゃぁぁぁあ！1番乗りだぜーー！」

「第4号 294番ハンゾー、12時間3分」

「ありっ？」

続いてゴールした忍者さんは私達の方を見ると

「ぬわぁぁぁああ！！なんてこったぁぁ！4番目かよ…」

………うん、テンションの浮き沈み激しいねぇ

「ところで、君。何者なの？」

忍者さんの反応を見ていた私に針男が唐突に問いかける

「それ聞きたいなら、先に自分から紹介するよねぇ？」

「この子、こういうとこだけ律儀だから従った方がいいよ♤」

「え、キミよりは律儀の塊だと思うんだけどなぁ」

「…わかったよ、俺はギタラクル。」

……こいつ、ウソついてる。何となくだけど。
横にいる変態が少しだけど、明らかにニヤけてる

可笑しくて笑ってるか、戦いたい対象だから笑ってるのか…オーラ的に前者の方が合ってるだろう

「キミ…ウソついてるよね？」

「何のことかな？」

「偽名とか使ってるでしょ？勘だけどそんな気がするのね～」

そういう類は鋭いんだよ、と1言添える

「へぇ、中々やるね。改めて、俺はイルミ。」

「ふーん、私はA。よろしくね～」

私達は軽く挨拶を交わす

「そうだ♡キミも一緒にどうだい？ババ抜き◇」

「いいよ。暇だし。」

「私はパース、イルミさんこいつの番お願いしま～す」

もう6時間も2人きりとかキツイって…疲れたし寝よ。

そして私は夢を見た、とても恐ろしい夢

燃えさかる炎、それらに焼かれる森の木々

叫び狂う人間たち、人間を次々に殺す人間…いや、あれは……団長さんか？

無残に転がる無数の死体…すべてあるものが無い、いや抉り取られたと言うべきか

そう、目が…眼球が無いのだ

「っは……」

あれは…一体何だったんだ

あんな酷い夢、今まで一度も見たことがない

「おや、お目覚めかい？おはよう♧」

「うわっ！なんで！？イルミさんは…さっき間にいたよね？」

「1戦したらすぐ終わっちゃって、あそこにいるよ♤」

ヒソカの視線の先には死んだように眠っていたイルミさんがいた

「ゲームの途中で君がうなされたままイルミの袖を掴んで離さなかったからね、大変だったよ♡」

「……まじかぁやだぁ」

イルミさん…ヒソカの横に寄せるくらいなら地べたと寄り添う方がマシだったよ…