小悪魔 * 赤じゃむ ページ10
「 ん〜?…俺も、大好きだよ 」
そうやっていつも思わせ振りな行動ばっかり。
反吐が出そうだ
「 いいですよ、営業スマイルとか。」
にこにこと笑う彼にそう告げれば一瞬だけ目の辺りの筋肉がピクリと動いた。
それでも表情を崩さない。
彼はなんて意地が悪いのだろう。
「 ほんとに好きなんだけど 」
「 リスナーさんみんなに言ってますよね
知ってるんでいいです、そーゆーの。」
そう言いつつも彼に迫られる背徳感が堪らない
じりじりと近付いてくる彼を軽く手であしらう振りをしてあくまで私は抵抗しました、という格好を取った。
「 ……ばかじゃねーの?
嫌なら本気で抵抗すればいいのに 」
「 別に 」
なんだか悔しい。
何でもかんでも彼に見透かされているようだ
彼が可愛い担当?そんなわけない。
誰が決めたんだ、彼はきっと、誰よりも狼。
「 嫌じゃないでしょ 」
そう言ってちゅ、と指先に接吻を落とされる
ロマンチストで馬鹿みたい。
でも、それに酔いしれてる私も私だ。
「 どうしてほしいか言ってみて 」
とんだサディスト。
可愛い声と態度な筈なのにそこから出る言葉は悪魔の様。違和感がないと言ったら嘘になるがあるわけでもなかった。
「 …好きなように、してくださいよ
その為に私をここまで堕としたんでしょ? 」
ゆらり。誘う様な瞳で彼を見ればその時初めて余裕そうな顔が崩れた。薄く赤みがかった瞳は射抜くように私の事を見詰める
「 ふぅん。じゃむさんにそんな態度とるなんて、生意気。」
誰がそうさせたんだか。
その言葉は彼の口の中へと消えていった。
触れた唇は一瞬で離れまた繋がる。
甘くて長い時間の始まり。
( 溺れるくらいに愛してほしい )
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作者名:@ | 作成日時:2019年1月12日 19時