ゆ (ページ9)

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「なにおまえ」

「なにって…四捨五入して4000こと3821ですけど」

「は？？」

みはにいの謎の自己紹介に周りにいた男子が眉を顰める。いやそりゃ顰めるわ

「 Aちゃん怪我してない？」

でも彼はそんなの気にしてない様子で。
痛くない？と聞かれたのでとりあえず脇腹結構強く打って痛いって言っといた。さすられた。

「 ……女の子に手上げるとかどうなの？」

「うるっせえな…めんどくさ」

みはにいが小言を言い始めると男女共に面倒くさそうに教室から出てった。
思わず無言になる。……なんで、

「なんで、そんな優しくしてくれるの」

ポツリ。そんな言葉を漏らせばみはにいはキョトンとして私の問に答える。

「なんでって、友達だから？」

どうして彼はこんなことをぽろりと言ってしまうのだろうか。羨ましくて、憎めしい。

「だって私、あの子の髪飾り壊したかもしれないんだよ」

「壊してないって知ってる。
それに、Aちゃんはそんなことしないでしょ」

「私、みんなに避けられてるのに」

「そんなの関係ない」

なんて、馬鹿なんだろう。
こんな私にも優しくするなんて。
この人はかなり変わってる

「ほら、立てる？」

「 ……うん、ありがとう」

( バカで愛しくて、優しい人。)