No.1510。10 (ページ26)

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素肌を泳いで。ページ26

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バレでの二人きりの食事は、笑い声が絶えなかった。

人が聞いたら何がそんなに可笑しいの？と思うようなことでも、私たちは笑い転げて────

ほろ酔いでヴィラに戻って、ベッドの上で喋っているうちに二人で眠ってしまった。

────どれくらい、時間が経っただろう。

まだ、夜も明けきらないうちに、私はふっと目を覚ました。

喉の乾きを覚えてベッドから降りて、水を飲みながら何となくプールサイドまで出た。

まだ辺りは暗くて、仄かにライトアップされているプールの水面が優しく揺れている。

「………入っちゃおっかな」

裸のまま泳ぐって１度やってみたかった。

その場で着ていた物を全て脱ぎ、私は音を立てないように爪先から静かにプールに入った。

「おぉ……」

透明のゼリーみたいなプールに体を沈めると、皮膚の上を余すことなく水が覆う。

私は息を吐いて止め、全身の力を抜き、まるで寝転ぶみたいに水面に体を預けた。

１度軽く沈んだ体はふわっと持ち上がり、私の体はプールの水の上に浮かぶ。

耳の中で水が揺れる音がして、目の前には果てしなく広がる星空。

「プライベートプール最高……」

そんなことを呟いて瞬く星を見ている私の視界の中に、

急に、隆二さんの顔が現れた。

ビックリしてハッと息を飲んだ私の体は、瞬間的に水の中に沈む。

手足をバタつかせて水面に顔を出した私は大きく息を吸い込み、髪を後ろに撫で付けた。

「ビックリするじゃないですか！……鼻いたぁ……」

鼻の付け根を摘まむ私を見て、隆二さんは「こっちがビックリしたよ」と言って笑い出す。

「ベッド居ないじゃんと思ったら裸でプールに浮いてんだもん」

「……いつから見てました？」

「結構前から。良い眺めだなぁと思って……マスターピースってAのことだよね」

「まだ酔ってる？」

「本心で言ってんの。水、冷たくない？」

「うん、ちゃんと温水になってる！」

「ちょっと上がれば？」

プールサイドにしゃがみ込んだ隆二さんが「ほら」と私に差し出した右手。

私はその手を掴んで、

「あ"っ！」

グッと引っ張った。