Squall. ページ9
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２日目の朝、チッチッチッという鳥の鳴き声で目が覚めた私。
朝陽が金色に部屋を染める中、私は夕べの甘だるさが残る腰を起こし、隆二さんの耳に唇を寄せた。
「隆二さーん……」
囁くように名前を呼ぶと隆二さんは「ん……」と小さく反応する。
「朝ごはん、お部屋に来ちゃいますよー……」
「うーん……」
眠そうに目をこすった隆二さんはこちらに寝返りをうち、私を腕の中にすっぽりと抱き締めた。
「ねみー……」
「早く寝ないから」
「２回したからね」
夕べのことは開放感のせいなのか、お酒のせいなのか───
「ね、服着て。隆二さん」
「……着せて」
甘えた表情で微笑む隆二さんの頬にキスをして、私は彼を無理矢理起こした。
「今着替え持ってきますね」
サッとワンピースを羽織った私は、クローゼットの中から隆二さんの服を取り出す。
「あー……風がすげぇ気持ちいい」
かろうじてシーツがかかっている体勢でベッドに座っている隆二さんは、あくびをしながら外をぼんやり見ていた。
「はい！Tシャツ！」
スポッと頭からTシャツを被せると、隆二さんはもがくように袖を通し「まじで着せてくれんだ？」と笑った。
「私のお願いばっかり聞いてもらってる気がするから」
「Aはなーんもお願いしてきてないけどね」
“そんなことないよ”と首を振り、私は隆二さんの着替えを済ませたあと、外のダイニングスペースで朝食を取ることにした。
ここには、食事ができるテーブルの他に、大きなソファーとクッションがいっぱいある。
既に瑞々しい果物が置いてあって、私はパッションフルーツを少し口にした。
「……すっぱ」
「顔、プルッてしたね今」
「すっぱいもん……でもすっごい香りが良い」
パッションフルーツの香りを吸い込んでいるうちに、朝食が運ばれてきた。
────抜けるような青空、心地よい風、眼下に見える海と、
目の前には愛しい人。
このロケーションで食べる食事が美味しくないわけがない。
「鳥が……」
隆二さんの視線を辿ると、私たちのすぐ傍にグレージュみたいな色をした鳥が止まっていた。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2019年2月5日 20時
