No.1510。 (ページ22)

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お台場に到着し下船した私は、東京テレポート駅へと足を進める。

純奈は今夜、打ち合わせを兼ねて食事をしてくると言っていた。

私もどこかお店で夕食を済まそう。

電車を乗り継ぎ、中目黒で降りて徒歩10分。

東山の住宅街に入ったところに看板も大きく掲げず、民家かな？と通り過ぎてしまいそうな感じの隠れ家的なお店がある。

そこが、私の行きつけ。

歩道に面した急な階段をのぼってお店に入り、迷うことなく中央のオープンキッチンを囲むカウンター席へ。

シェフが料理をする姿が楽しくて、私はいつもこの席を選ぶ。

「こんばんは」

「あ、いらっしゃい！」

急がしそうに左手でフライパンを振りながら、シェフが笑顔で右手を挙げた。

「今日、日向夏のワイン入ったんだよ。どう？冬に春物も良いでしょ」

「美味しそう！食事と一緒に願いします」

さて何を食べようかとメニューを開いた私。

お肉と野菜で迷っていると、シェフがもう一度「いらっしゃい！」と声を出した。

その声に何となく振り向いて、

私は思わず、声を上げた。

「「あっ……」」

入り口に立っていたのは、

隆二さんだった。