未来へ繋ぐ過去。 ページ39
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「納得いかないわー。何でお前らも一緒なわけ?」
隆二さんは、ちょっと不機嫌。
オペラ“椿姫”を観に行く手筈を整えてくれた彼。
二人でゆっくり観劇するはずが、岩田さんと四季、臣さんとトミちゃんも着いてきたからだ。
第二幕の休憩時間になって、その間に劇場の傍のカフェでお茶をすることにした私たち。
隆二さんはこの状況にまだ納得していない。
「興味ねぇだろオペラ。何で来たんだよ」
「二人がオペラ行くって四季から聞いたからだよー。何か良くない?みんなでさ、ハイソサエティな感じで。ね?四季」
岩田さんに話を振られて頷いた四季は、アイスティーが入ったグラスの中をストローでクルクル回し、柔らかそうな髪を耳にかけた。
ノースリーブのパンツドレス姿の四季とジャケットを着ている岩田さんが並んでいる姿は、確かに“ハイソサエティ”
「臣たちは?何で来た?」
「俺らは4人が行くって聞いたからだよ!何で俺らだけ仲間外れなんだよ!」
「仲間外れじゃねぇじゃん!岩ちゃんとこも誘ってねぇし!」
「良いだろが!もう来たんだし!二幕の途中で帰れってか!?」
ガチャガチャと言い合いしている二人を交互に見ながら、トミちゃんは前髪を手で撫で付けた。
白いストンとしたワンピースとパッツンの前髪が合っててとっても可愛いと思うのだけど、トミちゃんは前髪が気になって仕方ないらしい。
その隣の臣さんは、オフホワイトのスーツ。
きっと素材はコットン。
春夏のスーツの流行り、コロニアルを押さえているのが臣さんらしい。
「まぁまぁ、隆二さん良いじゃないですか。みんなで観るのも楽しいですよ。それに、あの声量聴きました!?すっごい、本当に」
「うん、声量凄い。体のどっから出てるんだろ……」
感心している隆二さんも、今日はきっちりしたスーツ。
流石にオペラ鑑賞にTシャツとデニムじゃ行けないからと、今日はみんなお洒落をしている。
ネイビーのスーツを着ている隆二さんは惚れ惚れするくらい素敵。
体のラインが綺麗な人は、ネイビーが良く似合う。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年5月23日 18時