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隆二さんはそう言って“たまたまだ”を繰り返した。









「隆二さんは男の人だから分からないんですよー。女の“当たりが強い”は、こう……爪と爪でピリッとつねられる感じなんです。派手さはないけど痛いの」









そこまで隆二さんに喋って、私はハッと手で口を押さえる。









「今の聞かなかったことにしてください!仕事とプライベートのラインは引かなきゃでしたよね!」









「今のは良いだろ別に!ここ家だよ?」









「でも何かチクったみたいだし……取り敢えず忘れてください!」









私はベッドから飛び下り、バスルームに直行した。









熱めのシャワーを浴びながら、先輩からの当たりが強くなったのは隆二さんと付き合ってからだと思い出す。









私は公私のラインを引いてるつもりでも、先輩にはそう見えてないのかもしれない。









だったら、もっと私がちゃんとしなきゃ。









でも、もうひとつ考えられるのは、先輩が隆二さんのことを────









「俺もシャワー浴びる」









考え事をしていた私は、急にバスルームに隆二さんが入ってきたことに驚いて肩を揺らした。









「ビックリしたぁ……」









「そんなビックリすんなよー。よく考えたら退院してからこういう時間持ててないなぁと思って」









「え?」









隆二さんの手が、濡れている私の髪をかき上げた。









「こういう時間って?」









「こういう時間」









隆二さんの顔が近付いてきて、優しくそっとキスをされた。









シャワーの飛沫がかかった彼の体はとても色っぽいし、キスも気持ちいい。









彼はこんなに気持ちいいキスの仕方を、一体どこで習得したんだろう……

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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年5月23日 18時

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