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四季は何となく“働くお母さん”なイメージだった。









かっこよくスーツを着て、子供を片腕で抱っこしながら夕飯の買い物をテキパキ済ませるような、そんなイメージ。









「だからぁ、私はそれなりに経済力がある人と結婚しなきゃいけないのー」









「岩田さんなら大丈夫そう」









「そっちも」









私たちはニコニコしながら目を合わせ、









「はぁ……」









同時にため息をついた。









「結婚の予定もないのに何でこんな話してるんだろ、私たち」









「本当……」









「……これ、アレだよね。Aが言ってた“買ってもない宝くじが当たったときのこと考えるの楽しい”ってやつ」









「うん、そう……楽しいでしょ?」









「……楽しい……ふふっ」









二人で大きな声で、まだ見えもしない未来のことを笑い飛ばした。









「はいはい、四季飲んで」









「どーもどーも」









四季はグイグイと飲んだ。









飲んで愚痴って、また飲んで食べた。









お陰で、二時間ちょっとで彼女のテンションは上がりに上がってしまった。









「ねぇねぇ!何このロボット!トランスフォーム!だって!やっば!」









「トランスフォーマー知らないの!?って言うかマフィン食べながらウロウロすんのやめて!ポロッポロこぼれてるから!」









「凄く美味しいこのマフィン!」









「ありがと。だから座って食べよ!」









「“トランスフォーム!”」









「しないしない。四季はトランスフォームしない」









マフィンをかじりながら私の部屋を歩き回る四季。









私は床に落ちたマフィンを拾いながら、ヘンゼルとグレーテルみたいだと思った。









四季は完全に、自分の道を見失っている────









「四季、部屋連れてくから寝よっか?ね?」









「可愛い……このロボット。トラックになるじゃん……」









「そうなの、トラックになるの。気に入ったならあげるから寝よ?」









「んー……分かった」

3→←二人の絆。



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作者名:ぽち。 | 作成日時:2018年5月23日 18時

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