Lollipop. ページ24
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「約10日間で3回もキスするかなぁ!?好きじゃないのにさぁ!」
真希は顔を真っ赤にして………
「怒ってる?」
「違う!興奮してる!」
「よ、良かった。でも隆二さん、そういう男なんだって」
「どういう!?」
「好きじゃなくてもキスしたり好きじゃなくても誘ったり。しちゃう人ってことでしょ?」
「なーにが“ことでしょ?”よ。他人事じゃないよ?Aが好きになった人の事だよ?」
私の住んでる見かけはボロボロのアパートに真希は今日泊まる。
理由は聞かなかったけど、岩田さんと喧嘩したのかも。
私の親と同じ歳くらいのこのアパートは近所の子供に「お化けが住んでる」と言われるくらいボロい。
でも内装はそこら辺のマンションと変わらないか、それより綺麗。
隣の敷地の豪邸に住んでる大家さんが、ちょっと変わった人で外観と和室って所は変えたくないらしい。
お陰で私は、住みたい街ランキングの常連の場所に格安で住めている。
「私、数えるくらいしか会ったことないけど今市さんてそういう人なんだねー。ビックリー」
私もー。
「で?で?それから?連絡とかあった?」
「ないよ?」
バンッと真希がテーブルを叩いた。
「あっ………ビックリしてはみ出しちゃったじゃん」
フットネイルはどうも苦戦するけど人に触られるのは、くすぐったくてサロンに行けない。
「ごめん、ってそれヴェルニじゃん」
「そー、669」
「秋っぽくて可愛い。貸して」
「良いよ。使って」
女って何でこんなに話が無数に枝分かれしちゃうんだろ。
「ちょっと………換気する?」
「うん」
キッチンの小窓を開けたら今日の夜風も冷たかった。
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作者名:ぽち。 | 作成日時:2015年10月2日 19時