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協定項目38 ページ39

ある日のこと。

Aが洗濯物を畳んでいたら太宰が後ろから抱き締めた。


「もー、何?」


畳む手を止めずにAが問う。

太宰は何も云わずにAの頸に顔をうずめた。


「擽ったいからやめて。」


Aがそう云っても太宰はやめない。

仕方なさそうにAはそのまま作業を続ける。


「いっ…何して…。」


頸に感じる微かな痛みにAは手を止めた。

振り返ろうとしたら太宰に唇を奪われる。


「…家事ばっかりしてないで、私にも構ってくれ給えよ。」


そう云って、また接吻をした。

Aも強くは抵抗せずにその接吻を受け入れる。


「珍しい…君が照れないなんて。」

「……一々照れてたら身が持たないから。」


ふふ、と太宰が笑いをこぼした。


「ねぇ、今から逢引しないかい?」


・・・


太宰に手を引かれているA。

何故かじっと、繋がれた手を見ていた。


「如何したの?」

「否…治の手、大きいなって……。」


しみじみとAは呟く。


「Aの手が小さいんだよ。」


太宰がそう云うと、Aは繋がれていない方の手を見た。


「そうかなぁ…。」


Aの反応に太宰は面白そうに笑う。

暫くA達はぶらりと歩いていた。

不意にAが立ち止まる。


「治、新作出てる…!」


Aが見ていたのはとある新作ゲームの宣伝広告だった。


「欲しいの?」

「欲しいに決まってんじゃん!ちょっと買ってくる!」

「あ、ちょっ、A!」


走り出すAを追い掛ける太宰。

Aが頸に付けられた赤い痕に気付くのはこれから数十分後だった。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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