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協定項目22 ページ23

「いたた…。」

「お疲れ様。うわー、めっちゃ葉っぱ付いてるねぇ。」


ベンチに座っている太宰とA。

太宰の外套に付いた葉をAが手で取る。


「最悪だよ…すいばり刺さったし。取ったけど。」

「うわ、それは痛い。」


無事、子供達のボールを取った太宰だが躰のあちこちに擦り傷が出来ていた。

子供達は今、元気に遊んでいる。


「それより、A。頭撫でてくれるんでしょう?」


太宰が目を輝かせてAを見る。


「はいはい。」


Aが太宰の頭に手を伸ばすが、太宰がその手を止めた。

そして、Aの膝に頭を乗せてベンチに横になった。


「はい、これで撫でやすい。」


仰向けになって太宰は云う。


「否……あのさ、此処公園。」

「うん。」

「子供達見てる。」

「見てるねぇ。」


太宰は笑いながら、Aの反応を楽しんでいた。


「もう…これだから……。」


顔を片手で隠すA。

もう片方の手は太宰の頭を撫でていた。

気持ちよさげに太宰は目を閉じる。


「……子供みたい。」


太宰を見て、Aは呟いた。


「私が子供だったらAがお母さんだね。」

「治の親とか心労で死ぬ。」


Aが真顔でそう云うと太宰は酷い、と云って笑う。


「でも、私の奥さんは厭じゃないんだ。」


Aは黙った。


「え、厭なの?」

「…厭って云ったら如何する?」


太宰が悲しそうな顔をして目を開ける。

その目に映ったのは柔らかい笑みを浮かべたAだった。


「嘘に決まってんじゃん。厭だったら結婚しないし。」


そう云って太宰の髪をいじり始めるA。

太宰は拗ねたような表情をして躰の向きを変えた。

Aの腹部に顔を向け、背中に腕を回す。


「ちょ、治、くすぐったい…ッ。」

「私を不安にさせた罰。」


この時A達は忘れていた。

此処が公園だと云うことを。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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