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協定項目1 ページ2

朝、太宰治の妻であるAは目が覚めたものの動けないでいた。

理由は至極単純。

太宰ががっちりAを抱き締めていたからである。


「……起きれない。」


時刻は6時。

洗濯物を干すなどの仕事があるAにとっては起きたい時間だ。

然し、こんなにも穏やかな顔で眠っている夫を起こすのも気が引けると、Aは迷っていた。

まじまじと太宰の顔を見つめるA。

相変わらず端正な顔立ちだと感嘆する。

長い睫毛が微かに揺れた。


「ん……。」


ゆっくりと瞼を上げた太宰と目が合う。


「お、おはよう。」

「………。」


目を細めて太宰はAをじっと見つめた。

Aは何となくどぎまぎする。


「…可愛い。」

「え?」


ポツリと呟かれた言葉にAは思わず聞き返した。


「うふふ、私は幸せ者だよ。目が覚めたら目の前にこんなにも愛しくて可愛い妻が居るのだから。」


ぐっと更に抱き寄せられ、密着する。


「おはよう、A。良い朝だね。」


耳元で云われ、顔を赤くしたAは自分の顔を隠すように太宰の胸に顔をうずめた。


「照れてるのかい?矢っ張り可愛いなぁ…。」

「可愛くないし……。」

「否、君は可愛い。誰よりも可愛い。」


可愛いを連呼する太宰。

その度にAは顔を赤くさせ、終いには耳まで真っ赤になった。


「夫婦内協定第六項目、愛を貰ったら?」


愉しげな声で太宰がAに問う。


「…返すことを忘れずに…。」

「判ってるじゃないか、ほら、私は君にたくさーん愛をあげたんだから君もお返しくれないと。」


ニコニコと笑みを絶やさず太宰はAの顔を自身に向けさせ、目を合わせた。


「治は…格好いい、よ。」


少しだけ視線をずらし、Aが恥ずかしげに云う。

太宰は満足げに微笑んだ。


「よく出来ました。」


そう云うと、Aの前髪を少し上げ、額に接吻をした。

当然、Aの顔は更に赤く染まった。


*********************
すいません、色々変更しました。

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(プロフ) - 分かりました! (2017年4月1日 13時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - 和さん» 実は私お友達申請などのしくみがよく分からなくて…私もぜひお友達になりたいので教えてくださいませんでしょうか。 (2017年4月1日 11時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お友達申請してもいいですか? (2017年4月1日 1時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
medaemon(プロフ) - スターチスさん» 頑張って下さい!!待ってますよ! (2017年3月31日 9時) (レス) id: ca66a711e7 (このIDを非表示/違反報告)
スターチス(プロフ) - medaemonさん» そんな、全然上から目線なんかじゃないですよ。コメントしていただいただけでありがたいです。最近あまり更新出来ていませんが、頑張りますね! (2017年3月30日 22時) (レス) id: 134aa8d2bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スターチス | 作成日時:2017年1月31日 1時

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