【銀魂】ゾッとするようなヤンデレ短編集

服部全蔵：鬼ごっこ ページ38

誰もいないな・・・さっきの紫巨人には数回出くわしたけど、難なく回避できてる。稲美、大丈夫かな？他の皆も・・・


グルルルル・・・


！？今の、紫巨人！？随分と離れてるから大丈夫だと思うけど。


忍「だ、だれ・・・か・・・」


あ、今の、声・・・誰かピンチなんだ！急がなきゃ！！


忍「た、のむ・・・助けて、くれ・・・」


待ってて、今行くから！！


忍「このっ」


グチャアッ・・・ビタビタビタ・・・・


「今助けに・・・ぇ・・・？」


角を曲がってその光景を目の当たりにして、一瞬、時が止まったかのように体が動かなくなってしまった。仲間が血に染まって倒れてるからとか、そんなんじゃなくて・・・


「何、して、るの・・・？あ、や・・・め・・・？」


そう、仲間を襲っていたのはあやめ、だったのだ。何故？どうして？そんな疑問の言葉が脳裏を駆け巡る。


「ど、して・・・貴女が仲仲間、を、食べて、いる・・・の？」


ゆっくりと顔を上げたあやめは、以前のあやめじゃなかった。口が裂け、目をぎょろつかせて何より、全身、本当に何があったのかと言いたいくらい紫。まるで、プールで溺れて全身ま紫になった恐怖新八的な感じで。


「一体、何が・・・」


全「ああ、それなぁ」


「！？ぜ、全蔵！？」


何で此処に！


全「俺の屋敷の、呪い、なんだよな。」


「え？」


全「俺の、服部家には、代々継がれ続けた呪いってのがあってよ。ちなみに、その呪いってのが猿飛がかかってるそれさ。紫の巨人になっちまうってゆーやつ。最初は全身が紫になって、やがで体もでかく、顔つきも変わっていく・・・醜い呪いさ。」


「知ってて、ずっと黙ってたの？」


全「ああ。そうさ。別に、お家がどうのとか、興味ねえが・・・一族のもんは、たとえ呪いでも受け継がなきゃいけねえのさ。」


「私たちを、利用したのね！？」


全「人聞き悪ぃが、まあ、そういうこった。呪いの継続方法は一つ。俺の領地の屋敷に人を呼び寄せ、そいつも呪いにかけさせるのさ。呪いは紫巨人が人間を食うことで、食われた人間も呪いにかかる。吸血鬼方式さ。食われたやつも又同様に紫巨人へと変わる。ただ、髪形や少しだけなら顔のつくりは変わったりしねえよ。」


あれ？なら、何故幼少期は大丈夫だったの？


「何で、昔の頃は大丈夫だったの？」


全「ああ、親父が呪いを抑えてたからさ。だが、死んじまった今、俺の抑えていた呪いは蘇ったんだよ。さて、お喋りはもう終わりだ。」

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