一匹狼と子兎と (ページ8)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:6,799 hit

◆epilogue◆ ページ8

.

まさか、さらに恥ずか死ぬエンディングが待っていたとは、誰も思いもしない。
いつもクラスで大人しいイメージの女子が、
いつもクラスで浮いてた十座を必死に語る姿に、
担任教師は圧巻。

どうどう、落ち着け。な？

語られてた十座は、何が起こったのか理解に苦しむも「あ…？何か褒められてる…のか？何、見て…？！やめろ…！」じわじわと恥ずかしさが募り、顔を真っ赤にする。
まさに苺のよう。

同じく無意識のうちに語り尽くしてしまった女子も「あれ？私は何を…！？うぁ…え、えっと！！いや、そのっ…！！うぅ…何言ってるんだ、私は！！恥ずか死ぬ！！」
と、こちらも苺のよう。

窓の外から運動部の声がうっすらと聞こえる中、
夕焼けにはまだ早い時間帯で2人して顔を真っ赤にして慌てふためく姿を見せられている担任教師は堪らず、呆れ顔。

「何だ、お前ら出来てんのか？
2人して初心か？
まさに、お似合いだな？？
そんな初々しいお前らに、先生からささやかなプレゼントをやる。
有難く、受け取れよな？じゃ。」

とか言って、ポケットから取り出した2枚の紙切れを、未だに顔を赤くしてる2人組に渡してそそくさと教室を後にする。
渡されたその紙切れは、カップル限定割引！
と書かれたスイーツ食べ放題券だったとか。

きっと教室内の甘ったるい雰囲気に耐えられなくなったんだろう。
いや…もしかしたら、使い道がなくて困っていたのかもしれない。
気まずいながらも、そんな2人が手を繋いで学校から出ていくのを職員室で見守っていた担任教師は
「いいね、程々に謳歌しろよ。」
なんて声を漏らしていたとかないとか。

＊

恋のキューピットになった担任教師

たまたま教室行ったら女子が泣いてて、思わず十座を疑ってしまった人。
必死に語る女子を前に、え、あ、ごめんなさい。これまた、たまたま知り合いから貰ったスイーツ食べ放題券。残念ながらお相手は見つからず。そんな時、目の前でカップル成立。日付が今日までとナイスタイミングで2人を送り出すことに成功。
あー、いい仕事したし帰ろ。
ちょっとばかし、いい事した気分。
今日はよく眠れそうだ。

.