47.腕の中 ページ49
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隙をついたと思ったのも束の間、ぐっと腕を引かれたと思ったら彼の腕の中に逆戻りしていた。
赤井さんの肩口に額をつけるような格好になる。
秀「…A。
俺がそれを聞かされて、お前を逃すと思うか?」
何もかも彼のペースに見えて、余裕がなさそうにもとれる声色に彼がどんな顔をしているのか気になる。
そっと厚い胸板を押し、その表情を見て心臓が早鐘を打った。
秀「…それは、俺がこの世で1番欲しかった答えだ。」
そう言って赤井さんは何かタガが外れたようにキスをする。
身長差で首が痛くて思わず後退りをするが、それも許されない。
息継ぎをする暇も、与えられない。
秀「…息くらいしろよ。」
と言ってフと笑う赤井さんが酸欠でぼーっとする目に眩しい。
『…ん。』
…5年前もそうだった。
家に帰れば赤井さんがいて、おかえりと言ってくれた。
ただ淡々とした彼にとってはなんでもないことが、私には眩しくて、幸せだった。
今もそう。
いや、きっと今のが幸せかもしれない。
再度与えられる優しいキスにそんなことを思った。
首が楽になったと思えば、いつの間にかふかふかのベッドに縫い付けられていた。
私に跨る形で左右の腕を拘束する赤井さんの背後には天井が見える。
秀「…誘ってきたのは君の方だが、
もし、本気で俺から逃げたいのなら、
3秒、最後のチャンスをやる。」
そう言って跨ったままではあるが、腕の拘束を解いてくれた。
秀「…3。急げよ。」
答えは最初から決まってる。
秀「…2。俺がもたんからな。」
あれ?でもここ人の家…だよな。
だけど。
秀「…1。A。」
名前を優しく呼ばれ、私は赤井さんの首にぎこちなく腕を回した。
すぐそれに答えてくれた。
秀「いいんだな?」
今度は優しい手つきで片手を絡まされ、キスをしながらもう片方の手を首元のボタンにかけられる。
『…でも、ここ…、人の家、なんですけど…』
秀「…なら、ボウヤたちには秘密だな。
安心しろ。次はちゃんと考える。
今は俺に集中しろ。」
―――――
翌日
歩「お邪魔しまーす!」
昴「いらっしゃい。」
元「あれ?ねーちゃんは?」
昴「まだ寝ているようなので、お静かに。」
光「えぇ!?もう学校も終わった時間なのにですか!?」
昴「えぇ。…昨日は頑張ってくれたみたいなので。」
コ(昴さんがご機嫌ってことは…!)
コ「それって…(こそこそ)例の件調べてくれてたんだね?」
昴「……えぇ。まぁ。」
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Iris(プロフ) - 理人さん» そう言っていただけて嬉しいです!まさに私が目指す赤井さんです!ありがとうございます! (2020年7月30日 0時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
理人 - 赤井さんかっこいい超えてえろいんだけど!?続き気になりすぎて寝れん〜!! (2020年7月26日 1時) (レス) id: 1b1cdfc4cd (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 沖矢さんも赤井さんも好きなので応援しています!更新頑張ってください! (2020年6月21日 17時) (レス) id: 696e21e34c (このIDを非表示/違反報告)
猫月(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年6月21日 17時) (レス) id: b4da24f398 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 沖矢昴の設定の部分で夢主の名前が「名前」になってますよ (2020年6月17日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス | 作成日時:2020年6月17日 8時