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43.想う理由 ページ44

すっかり日も落ち暗くなってしまった都内を降谷さんの車の助手席で眺める。


零「…そもそも、君が赤井を想う理由はなんだ?
一緒に住んでいたと言っても、たった1年だろ?
それは愛情というより、ただの情けなんじゃないのか?」


『…それが私にとっては重大なことだったんですよ。』

窓の外を眺めながらゆっくり話す。


『私の両親が居なくなった話はしましたよね?』

零「あぁ。それぞれ10歳と16歳のとき、だったな?」


『…はい。
それまでは本当にごく普通の生活だったんですよ。
友達もいて、親友と呼べる子もいました。
母が居なくなって、親友の女の子に、家で暮らさないかって言ってもらったんです。』


降谷さんは黙って聞いてくれているようだった。


『…でも、その翌日その子は事故に遭って亡くなりました。私は、事故じゃないと思っています。』


零「…消されたってことか?」


『…おそらく。
親友とまではいかない友だちも、私を慰める為と誘ってくれたパーティーで、組織に私を拉致させる手引きをしていたこともあります。』


零「…そこまで…。FBIには行ったと言っていたが、地元警察には行かなかったのか?」


『行きましたよ。
その翌日に詳しい話を自宅で聞いてくれる手筈になっていたんですけど、一向に現れなくて。
次の日その担当の刑事に会いに行ったら、その人も、事故死してました。
おそらく内部に組織の人間がいたんですよ。』


ひとつ息をつき続ける。


『…それから、私は1人でいることを選びました。
浅く関われば組織に売られそうになり、…まぁ、その度に逃げられる状況を作ってくれた人がいるんですけどね。
深く関わった友達は消されてしまいます。
16にもなれば1人でもさほど生活に困りませんし。
お金だけは毎月口座に振り込まれてましたし。』


零「そうか…。」


『そんな時に現れたのが、彼です。
あることを黙っていてくれる代わりに、家を貸すよう言われました。
…まぁ一緒に住むってことだとは思ってませんでしたけど、それまでの5年間孤独だった私には彼との生活は救いだったんです。
赤井さんなら、そうそう死なないでしょうし。』


零「恋人だったのか?」


『…違いますよ。
確かに楽しかったですけど、あの傍若無人さには参りましたよ。』


キリのいいところで工藤邸の前に着く。
わざとそうしてくれたのかもしれないと思った。

車を降りようとすると、



零「待て。こっちが本題だ。頼む、A」

とUSBを渡された。

44.ただいま→←42.察せないほど鈍くないよな?



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Iris(プロフ) - 理人さん» そう言っていただけて嬉しいです!まさに私が目指す赤井さんです!ありがとうございます! (2020年7月30日 0時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
理人 - 赤井さんかっこいい超えてえろいんだけど!?続き気になりすぎて寝れん〜!! (2020年7月26日 1時) (レス) id: 1b1cdfc4cd (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 沖矢さんも赤井さんも好きなので応援しています!更新頑張ってください! (2020年6月21日 17時) (レス) id: 696e21e34c (このIDを非表示/違反報告)
猫月(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年6月21日 17時) (レス) id: b4da24f398 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 沖矢昴の設定の部分で夢主の名前が「名前」になってますよ (2020年6月17日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作成日時:2020年6月17日 8時

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