27.バーボン ページ28
『話したいことってなんですか?』
ようやく終わった降谷との電話になんとなくほっとして、キッチンでトーストをセットしながら尋ねる。
秀「A、お前は安室透の正体を知っているな?」
油断していた上に唐突に核心をついた質問が飛んできて、一瞬言葉に詰まる。
『…さあ。…でも悪い人ではないとは思いますけど。
現にあのとき哀ちゃん(仮)を助けてくれようとしましたし、それは赤井さんも見てましたよね?』
秀「あぁ。だから俺も少々危険な賭けにでたんだ。
俺が生きていることをちらつかせて、彼にだけはこちらの事情を察してもらおうと思ってな。」
トーストが焼けたことを知らせる音が鳴る。
秀「彼が君が渡したカメラを素直に身につけていたこともあるし、」
『…それは私も驚きました。カメラ機能だけ壊されて音声だけにされると思ってましたし。』
(覚えてたらあとで降谷さんに聞いてみよう)
秀「それと、君のマンションが放火された事件の事情聴取が警察庁側の公安で行われたのは、おそらくAに協力依頼をするため…。」
立ったままトーストをかじりながらどうしたものかと考える。
赤井さんはまだ決定的な確証はないと言うが、全て的確に推理してしまっている。
かと言って降谷さんのことを私がペラペラと話したくはない。
降谷さんはちゃんと約束を守ろうとしてくれたし。
彼を裏切るようなことは私の信念に似た何かに反する。
秀「まだあるが、聞くか?」
『…一応。』
秀「Aは、何をしても揉み消してもらえると言っていたな。公的に許可を得ている、とも。
しかし、安室透という名前はいくら調べても出てこなくてな。おそらく偽名だと思うんだが。」
そう言って沖矢昴の顔で顎に手を当て考える素振りをみせた。
『…仮に私が彼の正体を知っていたとしても、言いませんよ。彼が敵だとしても、味方だとしても、私が彼を裏切ればこの均衡は崩れます。
つまり、彼にも私を裏切り利用する口実ができるということ。』
秀「だから、言わないか。お前はそういうやつだったな。」
赤井は懐かしむような優しそうな笑顔を向ける。
秀「安室くんのことだから、もうAに俺のことを探れとでも依頼してきたんじゃないか?」
トーストを食べている間もずっと隣で立ってコーヒーを飲んでいた赤井はずいっとAに顔を近づけた。
Aはいつもの事だと動じず赤井の目を見る。
ピンポーン
ピンポーン
秀「…ん?」
525人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Iris(プロフ) - 理人さん» そう言っていただけて嬉しいです!まさに私が目指す赤井さんです!ありがとうございます! (2020年7月30日 0時) (レス) id: a006ba535f (このIDを非表示/違反報告)
理人 - 赤井さんかっこいい超えてえろいんだけど!?続き気になりすぎて寝れん〜!! (2020年7月26日 1時) (レス) id: 1b1cdfc4cd (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 沖矢さんも赤井さんも好きなので応援しています!更新頑張ってください! (2020年6月21日 17時) (レス) id: 696e21e34c (このIDを非表示/違反報告)
猫月(プロフ) - 更新頑張ってください!応援してます! (2020年6月21日 17時) (レス) id: b4da24f398 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 沖矢昴の設定の部分で夢主の名前が「名前」になってますよ (2020年6月17日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アリス | 作成日時:2020年6月17日 8時